光は誘惑する
天翔ける天使は無数にいる
森は呼んでいる
聖なる岡は呼んでいる
神のしもべは今もなお
本当の美とは何かを
きえないものを追っている
光のもと 掴もうと
没時間の流れのなか
その時 音は見え
光は聞こえてくる
あまたは無数に守られる
人々はそこにいる
静かに明日を見ている
ドン・キホーテは希望のもと旅だった
けだし道には幻横たわる
ドン・キホーテは幻に忠実だった
いや 忠実すぎて躓いた
どこまで続くやの道をゆき
おもちゃの観念を友とする
見えないものが見えて来て
一つ転び三度泣いた
ドン・キホーテは思う
こんなもんさと思う
そして なお笑う
ドン・キホーテはそこに
笑えない喜劇は残る
ページの隅で見詰めている
男は吸い込まれる
体内へと続く森に
木々は微笑する
乳香は漂う
カマーラはそこに
欲情と言う名の唇
魅惑の眼差し
男は子供に帰る
喜びとは何かを教えられ
とろけるにとろけ
忘れることに慣れてゆく
毎夜の饗宴
来た道はもうない
媚態の元で眠る
体内へと続く森に
木々は微笑する
乳香は漂う
カマーラはそこに
欲情と言う名の唇
魅惑の眼差し
男は子供に帰る
喜びとは何かを教えられ
とろけるにとろけ
忘れることに慣れてゆく
毎夜の饗宴
来た道はもうない
媚態の元で眠る
時雨まじりの夕暮れは
くずれた回想をはこんでくる
早や 三月は過ぎた
きのうのような事だけど
想いは拭いえぬもの
姿を追うばかり
連なるしもべでいいとして
私は影 影となる
甘い歌にのるごとく
ほのかなメロディー流れても
あの日々はもう帰らない
忘れた頃にやってくる
過去形だけの手紙
そんな形容はいらない
くずれた回想をはこんでくる
早や 三月は過ぎた
きのうのような事だけど
想いは拭いえぬもの
姿を追うばかり
連なるしもべでいいとして
私は影 影となる
甘い歌にのるごとく
ほのかなメロディー流れても
あの日々はもう帰らない
忘れた頃にやってくる
過去形だけの手紙
そんな形容はいらない
花は散られるを欲す
風に身をまかす
一輪が一輪を呼ぶ
誰も見ていない所で花は散る
さよならをするには春がいいと
どうしようもなさと 遣る瀬なさ
ひび割れた窓の内と外
それ見た女が一人いた
想いは行きつく
心の壊れた女に
今も泣いてるのか
その顔はあるけれど
さめた思いがそれを消す
今も泣いてるのか
風に身をまかす
一輪が一輪を呼ぶ
誰も見ていない所で花は散る
さよならをするには春がいいと
どうしようもなさと 遣る瀬なさ
ひび割れた窓の内と外
それ見た女が一人いた
想いは行きつく
心の壊れた女に
今も泣いてるのか
その顔はあるけれど
さめた思いがそれを消す
今も泣いてるのか
湖には氷が浮いている
風はそれを脇へと吹き寄せる
一つ一つが擦れるとき
微かな微かな音がした
生まれたばかりの音は今
明滅する光を友とする
小さな空間は温もりを
冷めた心を少しは癒す
音ある世界はそこにあり
慈母として包み込む
あのころに帰ったように ほのかにと
そして今は思う
あたえるのは安らぎと愁い
そうとばかりに響きわたる
風はそれを脇へと吹き寄せる
一つ一つが擦れるとき
微かな微かな音がした
生まれたばかりの音は今
明滅する光を友とする
小さな空間は温もりを
冷めた心を少しは癒す
音ある世界はそこにあり
慈母として包み込む
あのころに帰ったように ほのかにと
そして今は思う
あたえるのは安らぎと愁い
そうとばかりに響きわたる
そこには一輪の花が
咲こうとして 咲けなかった物語がある
澱んだ空気のなかで
頽廃の美は語られる
悲しい調べはいつも流れる
そうなるのが定めなら
どうしてそうなるのか わからなくなる
憂いの重さだけがある
花のない薔薇はどこに
見つけられないものはどこに
ただ求む 見つけられないものを
花のない薔薇はどこに
無のなかで探し歩む
そして今 花のない薔薇を
咲こうとして 咲けなかった物語がある
澱んだ空気のなかで
頽廃の美は語られる
悲しい調べはいつも流れる
そうなるのが定めなら
どうしてそうなるのか わからなくなる
憂いの重さだけがある
花のない薔薇はどこに
見つけられないものはどこに
ただ求む 見つけられないものを
花のない薔薇はどこに
無のなかで探し歩む
そして今 花のない薔薇を
それは希望に向かっての苦闘ではなかった
むしろそれは 頽廃という靄のなかで
盲人達が旅するような
ただ業の歯車に喰われたのかもしれない
あるようなないような形象ばかり追って
躓き転んでは それのせいにした
わからないと言えば良かった
盲いた悲しみかもしれない
追うことに疲れたのに
疲れたとうい形容すら無かった
それほど自分が無かった
そして繰り返すだけでいいという
永遠の歯車に呑まれようとする
アルイハイイカモと 獏と思う
むしろそれは 頽廃という靄のなかで
盲人達が旅するような
ただ業の歯車に喰われたのかもしれない
あるようなないような形象ばかり追って
躓き転んでは それのせいにした
わからないと言えば良かった
盲いた悲しみかもしれない
追うことに疲れたのに
疲れたとうい形容すら無かった
それほど自分が無かった
そして繰り返すだけでいいという
永遠の歯車に呑まれようとする
アルイハイイカモと 獏と思う
日はのぼる シオンの山から
我らを照らす 彼方まで
神々は見つめる
そう だから歩くのです
時代はめくられる 風の流れ
間延びした時間 密になる
新たな飛翔おこる
ようやく円は閉じるのです
風は吹く 我らの追い風
あとは歩けばいい
喜びの一歩を踏めばいい
光の元へ帰るのです
シオンの山へ帰るのです
帰るのです シオンの山へ
我らを照らす 彼方まで
神々は見つめる
そう だから歩くのです
時代はめくられる 風の流れ
間延びした時間 密になる
新たな飛翔おこる
ようやく円は閉じるのです
風は吹く 我らの追い風
あとは歩けばいい
喜びの一歩を踏めばいい
光の元へ帰るのです
シオンの山へ帰るのです
帰るのです シオンの山へ
夢の中で生きようと
イッヒ・ロマンの世界に呑まれる
逃げようにも逃げえない
先も後もない空間に包まれる
自我とは何かを知ろうと
かなわぬ力で戸をたたく
あきらめの戸は開かない
それでいいのだと闇はいう
わかろうとするほど危なく
死に至る病に囚われる
ニーチェは狂ったから救われた
追われる以上に 追うことはない
むこう側には渡れない
見まいとすればいいのだ
イッヒ・ロマンの世界に呑まれる
逃げようにも逃げえない
先も後もない空間に包まれる
自我とは何かを知ろうと
かなわぬ力で戸をたたく
あきらめの戸は開かない
それでいいのだと闇はいう
わかろうとするほど危なく
死に至る病に囚われる
ニーチェは狂ったから救われた
追われる以上に 追うことはない
むこう側には渡れない
見まいとすればいいのだ
少女は立つ
静まりかえったオルレアンの大地に
風は流れる
そして なぜ
少女は思った
これでいいのだと思った
心よぎる過去
それなのに 今
ああ 過ぎてゆく
夢を見ていたのです
一抹の夢を生きたのです
・・・・風は訃報をはこぶ
あまたの人も消えるのです
物語は 終わるのです
静まりかえったオルレアンの大地に
風は流れる
そして なぜ
少女は思った
これでいいのだと思った
心よぎる過去
それなのに 今
ああ 過ぎてゆく
夢を見ていたのです
一抹の夢を生きたのです
・・・・風は訃報をはこぶ
あまたの人も消えるのです
物語は 終わるのです
自分がわかる以上に
魂は自分を知っています
歩いていいかどうかを知っています
それに従えばいいのです
人は明日を夢見
時間を旅するのです
早くなったり遅くなったり
自分なりのタクトを取るのです
ちがう顔に ちがう道
選んだようで選ばれて
そのような道 歩いているのです
自分が時を選ぶだけでなく
時も自分を選ぶのです
しょんないもんです
笑おうとしても 泣けてきて
泣こうとしても 泣けなかった
偽ることに慣れたころ
夕日は手招きをした
疲れたという形容すらなく
あるような ないような道をゆく
諦観という文字にあたる
慣れないということに 慣れたのです
歩かされたとは思っていません
いいえ 違うのです
そう 違うのです
いいえ 違うのです
いいえ 違うのです
私は 思ったにすぎないのです
泣こうとしても 泣けなかった
偽ることに慣れたころ
夕日は手招きをした
疲れたという形容すらなく
あるような ないような道をゆく
諦観という文字にあたる
慣れないということに 慣れたのです
歩かされたとは思っていません
いいえ 違うのです
そう 違うのです
いいえ 違うのです
いいえ 違うのです
私は 思ったにすぎないのです
そこには 音
音が流れる
森から出た音は
幸せと別離を運ぶ
彼の男は吹く
夢と幻の靄のなか
時間は操られる
振り返る事は出来ない
笛の音は道となる
そら 一人が消えた
また 一人と
その音は光の母体
ただ輝くもの
次の一人も
音が流れる
森から出た音は
幸せと別離を運ぶ
彼の男は吹く
夢と幻の靄のなか
時間は操られる
振り返る事は出来ない
笛の音は道となる
そら 一人が消えた
また 一人と
その音は光の母体
ただ輝くもの
次の一人も
私は登る
あしたへと続くであろう階段を
右だけで一歩一歩と
萎えた左をかばいつつ
私はよろめいた
転ぶのが自然だった
転ぼうとして転べば良かった
階段はそれを許さなかった
呪いの言葉は響く
どこまでもそうであるよと 声がする
空間は歪んでいる
口には微笑みが浮かぶ
呆けたから幸せだ
次の一段が無かろうと
あしたへと続くであろう階段を
右だけで一歩一歩と
萎えた左をかばいつつ
私はよろめいた
転ぶのが自然だった
転ぼうとして転べば良かった
階段はそれを許さなかった
呪いの言葉は響く
どこまでもそうであるよと 声がする
空間は歪んでいる
口には微笑みが浮かぶ
呆けたから幸せだ
次の一段が無かろうと