侘寂菜花筵(わさびなかふぇ)

彼岸の岸辺がうっすらと見え隠れする昨今、そこへ渡る日を分りつつ今ここを、心をこめて、大切に生きて行きたい思いを綴ります。

自発的に生きる、、、という事

2013-11-12 23:45:39 | Weblog
   なにもかもリセットして行き直したい、自発的に生きたい。

 自分らしく、卑下することなく、誇り高く、主義主張をキチンと発しながら

 溌剌と活き活きと、明るく、光り輝いて生きていきたい、、

 そう思った。

  その思いを実現する事が出来るかもしれない、いや実現してみせる。

  そう思い決めてスイッチを入れてしまった。

 それが京都へ行くことだった。

 京都で働いて暮らす。

 東京を引き払い、古都に移り住む。

 そうすれば、自分は自発的に生きられるに違いないという妄想を
 その時から悪あがきのようにふくらませて行った。

 胃がきりきりするほど、沢山の不安やさみしさを無理矢理押し込み隠蔽し、

 もう後戻りは出来ないんだという状況に自分を追い込んで追い込んで
 それなのに、胃は不安でキリキリいたんでいるのに、
 京都に向かった。

  深まる秋に彩られた京都は美しかった、、ところもあれば、さみしく物悲しい光景もあった。

  心の中に懸念する現実がどんどん積み重なっていき、胃はますますキリキリしてきた。

 が、もうここで取りやめるわけにはいかない。

 退路をたって、ここまできてしまっているのだ、

 今更弱音を吐いて止めるわけには行かぬのだ、、、

 さらに胃はキリキリいたむ、

 不安で破裂寸前だった。


  その渦中に遠く離れた岩手の兄から
 電話で「帰ってこい!」と もらった一言にすがり
 一路京都から岩手に向かった、ものの
 そこで待っていた現実はさらに手厳しいものだった、、、

 奈落の底に突き落とされた心境だった。

 突き落とされたというのは正しくないだろう。

 自らが自らを突き落としたのだ。

 全ては自分の成せる業、自分で最悪の事態を招いたのだ。

 全て自分が引き寄せた現実なのだ。


 どう申し開きができようか、できるものではない。

 すごすごと尾羽うちからし、 その日の内に東京に
 舞い戻った。

 たった二日のうちに悪しき方へ悪しき方へと
 向かう運命

 誰のせいでもない自分で招き寄せている運命。

 どうすることも出来ない無力さに震撼とする他はなかった、、

 明日になればなんとかなる?!

 いやならない、、

 明日やってきたのはシビアな現実。

 覚悟の無い自らが招いた愚かしい現実にしっかりと向き合う事が待っていた。

 何を言われても、言い訳も逆らうことも出来ないほど、全ては自らの責任。

 やっと自分のしてきたことに目を向け、甘さ、幼さに吐きそうな気分になってしまう。

 本当に情けない、、先頃再読した人間失格の気分だ。


 でも、でも、

 そんな恥さらしな自分でも、それを乗り越えて生きようとおもう。

 明るい方へ向かいたいと思う。

 そういうと何を脳天気な、、と思われようが、今はそう言っておかずにおれない。

 でなければ自分を保てない。

 自発的に生きるとは、、苦しみの末に出てくる実感の中に見出す事ができるだろうか。

 みつけたいものとおもう。

 

 

 

 

 

 


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