快晴の日曜日、この日は町内の一斉清掃だった。
雪融け後の屋外は、けっこう汚れている。
ゴミや落ち葉と一緒に、雪が抱き込んだ埃等が黒く厚く堆積して、見苦しいこと、この上ない。
この時期に一斉清掃があるのは、理にかなっているのだろう。
側溝や道路脇に積もった泥状の汚物を、スコップでさらっていく。
作業をしながら、日ごろ、あまり顔をあわせない隣人と近況報告をしたりして、
さりげなくコミュニケーション不足も解消できる。
朝早くから働いた私に、いいことがあった。
掃除の神様が降臨したのだ
普段は怠け者の私だが、神が降臨すると、人が変わったようにやる気の塊と化す。
滅多にないこの機会を逃してなるものか!
長靴を脱ぐ間ももどかしく、そのまま住まいのお掃除に突入した。
ちょうど春休みが終わるところで、家の中はくまなく散らかっている。
今回の降臨は、きっと取材カメラが来ることと無関係ではないと思う。
だが、どんな下心があろうと、やる気が起きたことは有難い。
他人軸に陥らないよう気をつけながら、自分のごきげんのために、家を整えよう。
まず、どこから…と考えた時、いつも最初に頭に浮かぶのはキッチンだ。
主婦の城とも言えるキッチン。
滞在時間が長く、しかもほとんど私の占有空間だから、特別な意味を持つ場所なんだろう。
・・・ということで、キッチンの掃除に着手。
私にとっての掃除は、片づけ(断捨離) → 整頓 → 掃除(拭く・掃く・磨く)を意味する。
今回は、壁際から始めてどんどん奥へ進むブルドーザー方式を採用した。
コンロを磨き、シンクを磨き、換気扇のフィルターを洗浄し、
食器棚を一度空っぽにして、中身を総点検。
ストックの食材&冷蔵庫内のチェックに、トースターと食器洗い機内部の掃除。
水切り籠やボール類の除菌・漂白。
せまいキッチンでも、やることはいっぱいある。
そして、シンク下の扉を開けた時、衝撃の事実が
なんと排水パイプの継ぎ目から水が漏れている。
パイプ下に溜まった水の量は、そんなに多くないので、
おそらくここ2~3日の間に漏れ出したのだろう。
大惨事になる前に気が付いて、ほんとによかった~~~
これもご利益かも。
キッチンを総なめにしながら、もちろん断捨離も同時進行。
過去に何度も不要品を抜き取ったキッチンなのに、またどっさり出てきた。
(不燃物だけで、こんなに!)
前回の断捨離で、もうこれ以上はない!…というほど出したはず。
だけど、あの時、捨てなかったモノが、今回は不要物として網にかかった。
以前は手放せないと思ったモノが、今回は軸のずれたモノとして認識できた。
判断の精度は着実に上がっているようだ
半年後にまたキッチンの見直しをしたら、どれだけ出てくるのかなぁ…。
この日は、昼食を挟んで午後3時くらいまで、ずっとキッチンに居た。
けっこう疲れているはずなのに、エネルギーが尽きない。
これがお掃除ハイってやつ?
(きれいになった空間の気持ちよさに舞い上がって、もっともっとと加速する)
こんなこと、なかなかできないので、降臨してくれた神様に感謝
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「momoさん、テレビ取材に協力してもらえませんか?」
電話の向こうはひでこ先生。
「インタビューですか?いいですよ。」
「今回は違うの~~~。
momoさんの自宅を取材させてもらえないかしら?」
え゛っ な、なんですと?
ひでこ先生のお手伝いは、いつだって、なんだって喜んでしたい私だけど、言葉に詰まった。
「momoさんのおうちに、やましたが遊びにいく、
それにカメラが付いてくる…みたいな感じで、どうかしら。
石川県では放映されない番組だし、
とても真面目に取材してくださるスタッフさんだから、安心して。」
電話口で固まった私を気遣ってくださるひでこ先生。
いや、いや、いや、いや、私がYESと言えないのは、
カメラや取材が怖いせいじゃありませんから…。
そりゃ気後れも緊張もするけど、
インタビューを受けるのは初めてじゃないし、
なんと言っても相手はプロフェッショナル、
うまいこと話を引き出してくれるので、上手にしゃべらなきゃ…なんてプレッシャーはない。
問題は
そう、問題は場所だ。
我が家を不特定多数の視聴者にさらす?
それって、なぜだか分からないけど、すごく怖い。
それこそ雑誌の何百倍も。
だって私の自宅は、まだまだ不要物で溢れている。
ブログでは、断捨離について偉そうに講釈たれてるのに、
実践はその程度?…って、きっと笑われる。
ひでこ先生の顔を潰しちゃうかもしれないし…。
そう言うと、「そんな大層な顔じゃないから」と仰る。
大切なのは、今の状態ではなく、
過去と比べて、住まいや自分がどれだけ変わったかということ。
現在進行形で発展途上なんだから、
誰と比べるわけでもないし、
もちろんがっかりしたり、評価したりすることもない。
そういえば、そうだった。
ひでこ先生とは1年半くらいのお付き合いだけれど、
私が迷ったり、執着したり、後退したりを嫌になるくらい繰り返したにも関わらず、
「さっさと捨てなさい!」と叱責されたことは一度もない。
無きに等しい成果の報告を、いつもニコニコして聞いてくださった。
「そんなモノは捨てたら?」と言われたこともない。
どんなに時間がかかっても、私が自分で判断するのを、忍耐強く待ってくださった。
けっこう醜態をさらしてる。
だから今更、がっかりされることもないかな…
私は何が怖かったんだろう。
一体、誰に何を証明しようとしていたんだろう。
ありのまま、このままでいいのに。
「私たちは、他人に住まいを見られそうになると、
どうしてこんなに抵抗するのかしらね。」…と、ころころ笑う先生。
先生、それはね、私に限って言えば、
人様には実際以上にいいとこ見せたいと思っちゃう、見栄っ張りの俗物だからです。
数分後、うまく丸め込まれた 説得された私は、取材を受けることにした。
だけどそんなに悟りきったわけでもないので、
普段より、少々ピッチをあげて、お掃除しようかな…なんて思っている。
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