今・ここ・自分~断捨離日記

断捨離とは不要・不適・不快を、要・適・快に入れ替えるプロセス
正規トレーナーのmomoが、断捨離でごきげんを実現します

美的な食器棚

2011-05-06 10:48:02 | 実践


4月半ばの、よく晴れた日、取材カメラがやってきた。

この日の朝一番に東京から飛んできたとのこと

遠路はるばる、ようこそいらっしゃいました。


カメラマンのカオルさんは、番組のディレクターでもある。

取材、撮影、荷物持ち…と、一人で何役もこなすのは、経費削減のあおりかな?

今はどの業界も、大変なのね…。


前日まで、ちょっとピッチを上げてお掃除したが、
如何せん、付け焼刃的な取り繕いなので、行き届かないことだらけだが、
ここまできて見栄を張っても仕方が無い。

もう全部、包み隠さず、さらけ出そうと…覚悟を決めた。


ひでこ先生がやってきて、呼び鈴を鳴らす。

ちょうど水仙とヒヤシンスと忘れな草とクリスマスローズが花盛りで、
玄関へのアプローチが春爛漫な感じだったのが、せめてもの救いだ。


「いらっしゃいませ~~~

「久しぶりね

…的な絵を撮ってから、室内へ。



ひでこ先生が我が家を訪問するのは、実は初めてのこと。

現状をご覧になって、どう思われたかな?

え…、まだこれだけ?…とがっかりしていなければいいけど。


2人で会話をしている間も、カメラは回っている。




…と、突然、ひでこ先生が「ガラスクリーナー、ある?」。


えっ?クリーナーですか、はい。


すると、やおら立ち上がって、食器棚のガラスを磨き始めた。


「こういうのって、そこに暮らしている人には、なかなか見えないものなのよ。」



「ガラスが曇っていると、印象が暗くなるから。」


ひでこ先生がマメなのは知ってるけど、
尊敬してやまない師匠に、ガラス拭きをさせる私って、どうよ?

でも先生は楽しそうに、軽快にガラスを磨く。


「この中のモノ、全部使ってるの?」

「いいえ…、普段使う食器はキッチンにあるので、ここはほとんど飾りです。」

「ワイングラスもいっぱいあるけど、よく飲むの?」

「いいえ…、最近は滅多に。
ペアグラスが4種類もあって、断捨離対象だなと常々思っていますが、
どれも綺麗なので、捨てられません。」

「うん。じゃ、捨てなくてもいいよ。
その代わり、中が見えない下段の棚に仕舞おう。」

「捨てないんですか?」

「そう、だって大事なんでしょ?
この食器棚は雰囲気があって、とても素敵だから、
これ自体を1枚の絵画のようにディスプレーしましょう。」




つまり、見える収納は5割の量的ルールは守っているけれど、
そこから一歩進めて、ただ雑然と入れられているモノの配置を、美に焦点を当てて考えようということ。

そう言われてみれば、いろいろ入っている。

空っぽの段があるかと思えば、薬や日焼け止めの類が丸見えになっていたり、
和洋も用途も入り乱れ、ガンダムのフィギュアまである。


ひでこ先生は、中身をさらに間引いて、どんどん並べ替えていく。




「私、こういうこと、大好きなのよね~~

確かに、すごく楽しそうですね、先生。


かくて、雑然を絵に描いたような食器棚は、
ひでこ先生のゴッドハンドにより、一幅の絵画に変身するのだった。(つづく)



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