モンシロチョウとスジグロシロチョウのこのごろの事情
多くの学校では入学式が終わり、いよいよ学習に力がはいります。
小学校3年理科では、5月に昆虫の体について学習します。
多くの教科書で、昆虫の体で取り上げる昆虫はモンシロチョウ。
それで、苦労するのが5月になって、モンシロチョウの幼虫青虫を集めること。
今の間に、花壇にキャベツの苗を3株ほど植えておくと、モンシロチョウが産卵にやってくるので、青虫の観察にまにあいます。
昆虫と植物の関係を勉強するのに、野外での観察は必須ですが、最近はタブレットで画像を見て終わりにすることができるので、虫の嫌いな先生にとっては便利なツールになっていまいました。
さて、
図鑑などでは「モンシロチョウは人家近くに多いのに対し、スジグロシロチョウは山地に多い傾向がある。」とあります。
モンシロチョウとスジグロシロチョウの最近の事情をお話しします。
モンシロチョウは日当たりのよい場所を好み、キャベツなどのアブラナ科の植物(とくに野菜にたまごを産むので農家にとってはこまりもの)に産卵する。
スジグロシロチョウは林の中のような、やや暗い涼しい場所を好み、タネツケバナやイヌガラシなどのアブラナ科の植物に産卵する。モンシロチョウに比べてアブラナ科であればよいというので選ぶ植物は多いのが特徴です。これが、図鑑などに書いてある事柄です。
ところが、都市化とともに、キャベツ畑が少なくなり、畑が住宅となり、モンシロチョウの産卵場所が少なくなってきました。それで、モンシロチョウが着目したのが川原に生えているセイヨウカラシナです。
モンシロチョウの幼虫青虫を探しに行くなら、むかしはキャベツ畑(農薬ですぐにいなくなってしまいますが)でしたが、川原のセイヨウカラシナの葉を探しに行くと見つかります。
スジグロシロチョウはというと、ビルの谷間にある緑地を生活の場所に移しました。
都会にふつうに見られるアブラナ科の植物に産卵するので、モンシロチョウよりは都会では目立つようになってきたのが、このごろの事情です。
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