おもむくままに・・・!

ゆったりと、流れのままに、拾いもしない、捨てもしない・・・。 おもむくままに・・・そして私がいる。

五月の午後

2017-05-28 16:55:28 | Weblog
しずかに 寄り添って
空気みたいに
存在感のない 人

語りかければ 目線で
返事をして
かすかな 微笑を
応諾の 合図とする 人

人ごみの中には 入りたがらず
数歩あとを 遅れることなく
ついてあるく

別れる時は
少し 小首を傾けて
軽いお辞儀を する

大きな声では 笑わず
大きな声で 呼ぶことも無く
手を 小さく 振って
しずかに
しずしずと 去っていく

まるで 皇族の人の
所作 を まねているような
おとなしい人

なにを 考えているのか
わからないけれど
敵では 無いのだと
体全体で 表現している

そんな 人に なりたいと
思った 五月の午後。


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わたしは私

2017-05-28 11:42:22 | Weblog
やさしい言葉の 
隠れた こころを
覗き見して
うなずいて

厳しい言葉の裏側の
ほんわかした
思いやりを
垣間見て

つないだ手を
振りほどく しぐさは
拒絶の 現れではなく
もっと しっかり
捉まえて という
信号であったり

さよなら というと
聞こえない振りで
そっぽをむいている目が
潤んでいたり

わたしは私 というのに
いつも なにかに
縛られて 不自由な気持ちが
居心地よかったり

あすは どんな 不協和音が
心の上に 居座るのか
計り知れない

この生き方が
私の 生き方 と
顔を あげて きっぱり言うのに
すぐ下を むいて
・・・かなと
訊いてくる 心の中のわたし


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モンステラ

2017-05-28 01:13:32 | Weblog
電話がなると
それは 新しい時間へのスタート

古い洋服を脱ぎ捨てて
新しい ストッキング
とっておきの お出かけ服

髪に お気に入りの
パールの髪飾りを

心は すでに
表の通りを横切って
街灯のともる 舗道を駆け抜け
角を曲がった カフェテラスの中
モンステラの鉢のむこう

息せききって たどりついた背中に
背後から大きな手が
早かったねと そっとたたく


電話が鳴ると
いつも始まる 
新しい時間のスタート

夢想の世界に 彷徨い出る合図

それ以上は 進展しない
アバンチュールのタイムテーブル

そんな時
ドアをノックする音がしただけで
早鐘のように 鼓動が高まり
現実の自分の姿を わすれて
恋する女の顔で
ドアを開けそうになる

ドアの外には
配送品をかかえた 男の人

無残にも 打ち砕かれた
仮想空間







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