来るはずのない電話を待って
受話器を見つめて過ごす夜
地図の上での 距離を
無限大と思う
離れていることは
思いを強くすることだと
誰かが言ったように
心が求めるものを
確かめることができる
夜を揺るがす風の声を
木の葉のこすれる音で知り
軒をたたく雨の訪れを
雨粒の嘆くさまで覚え
この風は かなたの地にも
この雨は 遠い地の窓をも叩くかと
夢の中を 魔法のじゅうたんで飛べば
瞬時に 距離を縮めるけれど
してはいけないルールが
たくさんの妨げとなり
夢でさえ 思いはかなわない
長い夜は
早く明けよと
夢の中にたたずみて
夜明けを告げる鳥の声を待つ
バーベナ
花言葉 感受性