生垣の樫の木に
なにやら 鳴き声がする
喜々として さえずりあっている
心さそわれて 窓際まで
忍び足で 近寄ってみる
巣作りを しはじめたのか
毎日毎日 小枝を運んできては
作った巣棚に
たまごを産み
たまごを抱き
新しいいのちの はぐくみを
そっと ながめて 楽しんでいたのに
嵐がきて 無差別に枝を揺らし
嵐が去った枝に
巣棚は跡形もなく
たまごを抱いていたはずの
親鳥の姿も見えなくなっていた
無常を身にしみて感じた
かつての日を思い出す
私の心にも大きな喪失感が
影を落とした
今度こそは
思いを遂げてほしい
不安と 期待で
彼らの営みに 耳をそばだてる
ヒメジオン
花言葉 素朴で清楚