ゆったりと、流れのままに、拾いもしない、捨てもしない・・・。 おもむくままに・・・そして私がいる。
気持ちの整理には
あなたの助言が
不可欠で
肝心のあなたは
どこか 違うことに
関心を寄せているから
長い時間かかっても
なんの 解決もできない
ひとりでは 決められない
わたしのために
ちょっと 時間をさいて
と
思っているだけで
あなたは
なにも知らないのだから
あなたのせいでは
無いのだけれど
このままでは
いつものように
独りよがりの
悲しい結末 が
こうして
たすけが 必要なとき
せめて
あなたと 視線があえば
わたしの 異変に
気づいてくれるでしょう
きっと そうよね
脅迫観念 というのは
自分の 妄想から
派生した モンスターである
モンスターを誕生させる力が
強い者が 異常であるとは
言えないが
モンスターに左右されないで
暮らしていける人が
ほとんど だとすると
モンスターと対話しながら
日常を 過ごしているのは
少数派である
モンスターにも色々あって
弱虫もいれば 剛毅なのもいる
他人のことばかりきになる
常識の範囲を逸脱することだけを
恐れている
自分の意見をもたない
なんでも順番が 優先される
枚挙すれば 限りがないが
私事だけを 書き記して
納得している わたしは
何モンスターに 属するのだろうか
できれば 愛されるモンスターに
勇気をだして
思いを告げても
こだまになって 返ってくる
秘密の壺に
吹き込んで
密封して
土に埋めて
こだまを 聞く虚しさよりも
こころの こだまで
なぐさめて
明日を待とう
逢いたいと思った
逢って確かめたかった
わたしの未来を 持ってきたか
わたしの旅立ちを 手助けするというのか
未来への 切符を
用意したのか
スーツケースは
スケジュールは
あなたの返事如何で
あなたが 導く未来を
見に行っても いい
わたしの言葉で 戸惑うのなら
すぐひき返して
ここへ来てはいけない
二度と
馬鹿げたことだと
笑うだろうが
私の心の端に
紐が付いていて
時々 誰かが引きにくる
それは
神社で 礼拝の前
鈴の綱を
ガラン ガラン と引くように
あるいは
逃げた仔犬の リードを
ぐィと 引くように
または
幼子とつないだ手を
引き寄せるように
あるいは又
あやとりの糸のほつれを
解くための 所作のように
馬鹿げたことだが
わたしは その時
私が納得できる 力加減で
引き寄せてくれる
あなたの存在を 待っている
干潮のとき
波打ち際で
きれいな 小石を
拾い集めて
ならべ
ペンで あなたの名前を書く
一つ一つに 一文字ずつ
ひらかなで 書き記す
残りの 二つに
す き と 書いて
きれいな 小石を
もっと さがす
三個 あった
それぞれに
き ら い と書いて
砂を かぶせる
小石たちを 置き去りにして
翌日 同じ砂浜を
さがして歩いた
あなたの名前と
す き がみつかれば
この恋は 確かなものになると
一人占い で
きめていた
なまえは 見つからなかった
す き もどこかへ
行ってしまった
埋めたはずの
き ら い だけが
砂の中から 顔を出していた。
その後 何日か 経過して
ひとつの恋が 終わった
庭に植えた カラーが
咲き競って それぞれに
凛としている
その姿を 見ているのが好き
彼女たちも 見られるのが
好きらしい
一輪だけでも 存在感が
他を 圧倒する
それが 数輪となると
いつも 何かを語りかけてくる
あの時の 態度は卑怯だ
あの時の 行いは 女々しい
あの問いは 卑劣だ
正直に 有りのままで
生きるべきだ
彼女たちは 正義の
判定人の顔をする
そして わたしの
よき理解者でもある
わたしの庭の法廷を 常に
正義が行われるように
守っている
逝った人を 偲ぶ会で
こころが 空っぽであることに
気づいたとき
哀しみに浸るよりも
自分の 心のあり方を
疑ってしまった
そんなに 親しい人ではない
こころが 虚ろになるほどの
思い入れも無かった
日常的な 接点が
普通に あるだけの間柄
それでも
現世から 逝くという
離別の 重い思いが
沸いてくるのが 当然であるはず
こころに 入り込まないように
わたしは 自分の心に
バリア を張る すべを
いつの間にか 身に付けていた
無感覚になれる すべを
身に着けている
自分に 気づいて 唖然とする
一方で
それを憐れと
思う気持ちもある
人は かくも
複雑な 生き物である
とりわけ わたしは・・・
口の重たい人 と
決して饒舌ではないけれど
クールに 話を運べる人
二人は
幼いときからの親友同士
今 二人に出会ったら
わたしは どちらを選ぶだろう
どちらも 頭脳明晰
スポーツ 万能
ルックスも 10人なみ以上
男女問わず 憧れの的
口の重たい人に
選ばれたわたしは
彼の ガールフレンドの役割を
つとめていた
ローティーンのころは
それが 自然な流れで
否というには 幼すぎた
それを 決めたのは
もう一人の 彼だ
まるでキューピットのように
二人の間を
結びつける役割を 果たした
小さな紙切れ
廊下のすれ違いざまの小声の
メッセージ
すべて キューピットが
介入した
成長して 成人になるころには
季節の変わり目
帰郷の 折りにふれ
二人で やってきては
子供だったころの話で
盛り上がった
いまでは
沢山の こころの襞を
経験した わたしと
同じく 人生の波風を
過去に持つ 二人と
あのとき
本当は キューピットのほうが
よかったなんて
死んでも いうことは
無いだろうけれど
今 二人に出会ったら
わたしは どちらを選ぶだろう
なんだか 気だるい
そう 思っているとき
体の調子が悪いのか
こころが 病んでいるのか
解らないことが 多い
そんな時は 無性に
トムとチィが いとおしく思えて
頬ずりしたりして
異常接近する
普段は 存在が 当たり前で
それぞれが 思い思いの
暮らし方
時折の アイコンタクトだけの
ただの 同居人
よくぞ この不条理な
愛し方に
耐えてくれた・・・
後になって
その存在の大きさを
思い知ることになる
これは かつての同居人 ベスの画像です
突然の雨風に
正気をなくしたように
逃げまどう 町中
傘のない人は 近くのカフェや
レストラン コンビニ に 転げ込み
たまたま 映画館の近くにいたものは
見たくもない 映画を 見ることになり
書店にいたものは 買うつもりのなかった本を
買ってしまう
傘を一つ持っていた カップルは
肩を抱き合い 小走りに
路地に逃げ込み
このまま 雨が止まなければいいと願う
若者は 濡れることをいとわず
雨の横断歩道を 一足飛びに駆け抜け
初老の人は 一層背をまるめて
おぼつかない 足取りで
信号を 確認して 立ち止まる
町中が 雨の洗礼で
本当の姿に 立ち戻り
それぞれの形で 身を守る
その時 花木たちは
ありのままを 受け入れている
それは 街角の初老の人のようだ
何とはなく 泰然としているように
思われてならない
拒否したあとの 気まずさ
それは
すぐには 形にならない
10日ぐらいすると
拒否を 受け入れてくれた
という 安心
20日ぐらいすると
あれでよかったのか
という 自問
30日ぐらいすると
傷つけてしまった
という 危惧
40日くらいすると
その後 どうしたんだろう
という 懸念
50日くらいすると
もう一度顔を合わせたら
という 取越し苦労
そして 徐々に
過去の人になっていく
郷愁のような
胸の中の
わだかまりの形となって
わたしの 生き様を
創っていく
バラの垣根の 向こうに
幸せの 時間が 流れている
手入れの行き届いた 花壇と
仔犬が 遊ぶ 芝生
その前を そそくさと
通り過ぎる
幸せ病に 感染しないように
一刻も早く 素通りする
通っただけで すでに
感染 したかもしれない
幸せ病は 持たない者には
ひどく つらい
特効薬のない
時間との 戦いになる
愛という言葉で
誘う
信じるという言葉で
惑わす
飽きるという言葉で
震わす
退屈という言葉で
怯えさす
言葉の 罠にかかった少女は
一度に 数年を生きて
老いていく
それは 恋ごっこ
もとには戻れないという
魔法にかかって
大切なものを 失くしていくことに
気づかない
魔法の鏡の 裏の世界
夢物語にすぎないのに
少女は 大切なものを
その時代に
置き忘れてきてしまった
もう 梅雨かしらねェ
そう 梅雨だよ
蛙が なき始めた
ゴキブリだって 活動してる
冷奴が 食べたい
流し素麺 もいいな
カキ氷の 看板をみたよ
車も エアコンなしでは
走れないし
暑いから ね
梅雨 嫌いじゃないわ
田植えの後の 水田の
整然と並んだ 稲の苗を
眺めるのが 好き
傘を さして 街を歩くのも
悪くないわ
雨の音が
耳について 眠れないのも
まあ 楽しめるし
考えようだよね
でも カラッと晴れわたった
空気を 割って
山の中へ
どんどん 登っていき
その先の 山の風に
出会うというのも
好きなのよね
四季を 拒絶しない
生き方が いいのよ