ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

詩、悲しみ男が夜と光を

2013-12-31 22:28:19 | 
夜は等しく世界を包むが光はそうではない

不器用さが世界を回転させる

悲しみをゆっくり吸い込み

そしてゆっくり吐き出す

少しだけ気が楽になった気がする

夜の山に登る

ヘッドライト以外の世界は闇

動物の鳴き声

草を揺らす音

ヘッドライトに光る瞳

あれは俺だ

一人だけ

世界には俺に喰われるものと

俺を喰おうとするものの

二種類だけ

単純な世界の約束

愛とは執着

金とは権力

性とは暴力

悲しみ男には悲しみが予め備わっていて

世界には食べものと

そうでないものしか

存在せず

他に何も無い