ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

詩、なければ

2014-04-28 17:35:55 | 
もしも

このまま一人なら

一生

このまま一人なら

ぼくを愛してくれる人が

現れなければ

ぼくが誰かを愛せなければ

なければ

そのことに泣ければ

もう泣けなくなって

これがぼくが求めていた

強さなのだろう

失うもののない強さ

パキっと乾いた音を立てて

折れてしまう

砕けてしまう

そんな感触

ぼくは心底怯えた



詩、はむしはう

2014-04-26 17:36:54 | 
傷つけてはならない

もっとも大切な人は

もっとも傷つきやすい人で

わたしのこころはここらで

終わり

なみだ

だれのため

もうやめよ

もうやめよ

お前のその

自己憐憫が

たくさんの

人を殺した

もうやめよ

もうやめよ

お前は孤独

孤独な羽虫

羽虫の羽は

とうめいで

とうめいで

薄く薄くて

軽くもげて

地を這うよ



詩、もしももしもし

2014-04-12 05:53:39 | 
私の孤独は私の孤独

孤独は分け合えない

孤独は決して消えない

孤独は息を殺す

孤独は蠢く

孤独は増殖する

孤独は愛の形をする

孤独は神

私の孤独は私の孤独

もしも

もしもし

孤独さん

呼び掛けてみる

私の手の届かない私の奥で

ぽろり音がした






一羽の孤独の鳥、五つの条件

2014-04-10 08:34:53 | クンストカンマー(美術収集室)詩・俳句
一羽の孤独の鳥には、五つの条件がある。
第一は、最高点まで飛ぶこと、
第二は、たとえ自分と同類であろうとも仲間を欲しがらないこと、
第三は、くちばしを天に向けること、
第四は、一つの決まった色をしないこと、
第五は、ごくかすかな声で歌うこと。

ーサン・ファン・デ・ラ・クルス

サーブのこと

2014-04-05 18:45:03 | クンストカンマー(美術収集室)詩・俳句
サーブが自分を駄目にしてしまうのは
何もかも知ろうとしながら、何ひとつ見ていないからだ。
サーブは技術しか信頼しない。
サーブはどこでも、いつでも分類したがる。
サーブは孤独を恐れて集団をつくるが、
かえってその中で孤立してしまう。
サーブは死を黙殺しようとして、絶えず考え、考え、考えてばかりいる‥‥‥。

パンボチェ出身のシェルパ ダワ・テンジン