後ろ手にあなたは髪を束ねつつ夜の気配を綺麗に消した
暴力をみつめてゐると暴力は必ずふいとこちらを見つける
暴力は敏感に恐れるものを見付ける。だから、私も必ず暴力に対峙する時、感情をリラックスさせる。積極的に笑顔を見せる。たいてい、暴力の方も恐れているのだ。
暴力は敏感に恐れるものを見付ける。だから、私も必ず暴力に対峙する時、感情をリラックスさせる。積極的に笑顔を見せる。たいてい、暴力の方も恐れているのだ。
わが姿見ても跳ばざる蝗あり冬の園にて老いを噛みしむ
蝗という存在。老いている自分。冬の園。なぜ、蝗は跳ばないのか。もはや生気を感じなかったのか。実感が具体を通して伝わる。関係ないが、園に下記の一首を思い出した。
前川佐美雄「捜神」春の夜深く
紅梅にみぞれ雪降りてゐたりしが苑(その)のなか丹頂の鶴にも降れる
蝗という存在。老いている自分。冬の園。なぜ、蝗は跳ばないのか。もはや生気を感じなかったのか。実感が具体を通して伝わる。関係ないが、園に下記の一首を思い出した。
前川佐美雄「捜神」春の夜深く
紅梅にみぞれ雪降りてゐたりしが苑(その)のなか丹頂の鶴にも降れる
捕れるよう投げた言葉は弧を描ききみの頭上を遥かに越えた
「あのへんがうちの家」だと大まかに入道雲を君は指差す
映してはいるが見てなどいなかった白いビー玉みたいな君の眼
わたしともこの世界とも自身ともあなたはいつも終末を見る
言ってみれば悲劇のなかで喜びを見出だすことはとてもやさしい
アボカドの種を植えては水をやる明日を妬む少女のように
「あのへんがうちの家」だと大まかに入道雲を君は指差す
映してはいるが見てなどいなかった白いビー玉みたいな君の眼
わたしともこの世界とも自身ともあなたはいつも終末を見る
言ってみれば悲劇のなかで喜びを見出だすことはとてもやさしい
アボカドの種を植えては水をやる明日を妬む少女のように