あなたに会うためだけに湖西線に乗って安曇川駅に降りる
一ヶ月にたった一度だけ
あなたは水色の軽自動車で迎えに来てくれる
そしたら車で琵琶湖沿いを走る
年上の人
とても綺麗な人
とても正直な人
とても真剣な人
とても不器用な人
とても淋しい人
あなたと何度も抱き合ったけれど
あなたに触れた気がしない
いつもどこかがすり抜ける
琵琶湖に降る雪があなたの水色の車にも降る
そして湖面やアスファルト、フロントガラスに消える
けれど雪は確かに舞っていて
あなたに会うために湖西線に乗る
京都駅から
もしかしたらあなたは僕のことを愛してくれているのかも知れない
けれど僕はまた弱さで人を信じられない
僕は確かに湖西線に乗ってあなたの住む街を目指す
あなたが僕にくれる肌の温度
切りすぎた前髪がおでこで綺麗に揃っているあなたは手を放してしまった風船を見上げる少女みたいで
僕は本当に僕の弱さが嫌いになって
あなたを強く欲しくなって
ゆっくりと雪が消えてゆくのを見ていた
一ヶ月にたった一度だけ
あなたは水色の軽自動車で迎えに来てくれる
そしたら車で琵琶湖沿いを走る
年上の人
とても綺麗な人
とても正直な人
とても真剣な人
とても不器用な人
とても淋しい人
あなたと何度も抱き合ったけれど
あなたに触れた気がしない
いつもどこかがすり抜ける
琵琶湖に降る雪があなたの水色の車にも降る
そして湖面やアスファルト、フロントガラスに消える
けれど雪は確かに舞っていて
あなたに会うために湖西線に乗る
京都駅から
もしかしたらあなたは僕のことを愛してくれているのかも知れない
けれど僕はまた弱さで人を信じられない
僕は確かに湖西線に乗ってあなたの住む街を目指す
あなたが僕にくれる肌の温度
切りすぎた前髪がおでこで綺麗に揃っているあなたは手を放してしまった風船を見上げる少女みたいで
僕は本当に僕の弱さが嫌いになって
あなたを強く欲しくなって
ゆっくりと雪が消えてゆくのを見ていた