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いよいよ総会である。年次定期総会と言っても、要するに同窓会である。熟年や老年が集まって気勢を上げ、現役学生の若者共にハッパをかけてやろうという集まりである。
ここに来ると、どういう訳か、皆若返る。往年の学生気分を取り戻し、大声で議論しだす。論争が始まる。胸があやしく騒ぐ。
東西古今の文化の潮がひとつに渦巻くことをモットーとする学び舎なのだ。誰憚ることなく大いに渦巻け! こうして120年も渦巻き続けて来たのだから。
集まり散じて人は代われど、仰ぐは同じき理想の光なのである。人は集いまた去り、年月は廻れども、仰ぐは同じき理想の光なのである。かつて先達が仰いだ光を、我らもまた仰ぎ、今、若者たちが仰ごうとしているのである。まさに恩寵の歴史である。
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