『早春賦』
春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず
氷解け去り 葦は角(つの)ぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日も昨日も 雪の空
今日も昨日も 雪の空
春と聞かねば 知らでありしを
聞けば急(せ)かるる 胸の思いを
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か
(作詞:吉丸一昌・作曲:中田章・大正2年)
※思うあやにく=思うがあいにく
小学唱歌だが、逆接と否定の言葉が多い。
ちょうど今頃の季節を詞にしたからだろう。
春なのだが寒いので、まだ春ではない。
人生は思うがままにならないことが多い。
パー券を売りさばくのに苦労した。しかし、裏金が入ってきた。
ところが、裏金問題が発覚した。だが、派閥を解消すればいずれ忘れ去られるだろう。
にもかかわらず、世間の批判は厳しい。とはいえ、法律のザルの目をなんとかかいくぐっていこう。
けれども、一方で、大きな災害で多くの人が避難生活を続けている。
今日も昨日も 雪の空、いかにせよとの この頃か。
なのだが、阪神淡路大震災、東日本大震災と、寒い冬から暖かい春になるのを信じて乗り越えてきた。
不幸が、やがて幸福に向かうというのが真の逆接。
春よ来い 早く来い
あるきはじめた みいちゃんが
赤い鼻緒の じょじょはいて
おんもへ出たいと 待っている
春よ来い 早く来い
おうちのまえの 桃の木の
蕾もみんな ふくらんで
はよ咲きたいと 待っている
(作詞:相馬御風 作曲:弘田龍太郎)
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