今、畑で一番多く咲いているのは無花果。
「それってイチジクの実やないかい!」と叱られそうだが、この実がイチジクの花のつぼみ。
もうニ、三日おいておくと、パカッと割れて、中から花が出てくる。我々が食べている実の中心の白い部分が花。
見慣れない花だが、綿(ワタ)。綿花である。
これが丸い実(コットンボール)になって、秋になると、パカッと割れて、白いワタが出てくる。
綿の中に黒い種がいっぱいついている。その種を取ると布団のワタになる。
あるいは糸にして機(はた)で織ると木綿(もめん)の生地になる。
「河内木綿」の名が残るように、河内地方は綿の産地だった。
綿を植えて育てる人〈農民〉、綿を加工する人〈職人〉、綿を売る人〈商人〉、綿を買う人。
これだけで経済がなりたっていた。
経済とは、お金が回るだけではなく、人も回らなければならない。
綿だけでなく、米を酒に、菜種を油にして経済が発展した。
その代表が富田林寺内町。寺内町は資本主義経済の縮図だ。
※絵は『大日本物産図会』より(国会図書館デジタルアーカイブ)
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