河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

茶話173 / 雨

2025年03月06日 | よもやま話

昨日に増してどんよりとした空。
降っているのか、降っていないのか、わからないような雨。
傍で我が相方が洗濯物を部屋の中に吊るしている。
てるてる坊主でも作ろうか……。
カムイ・パパイヤ・アーホーイヤ。
あーした天気になぁーれ!
アイヌのまじないでも唱えようか……。
それとも、靴でも飛ばそうか……。
あーした天気になぁーれ!
東北地方では、雨が降り続いたとき、晴れを願って、行事の前日に御天気祀りとやらをする。
大酒飲んで大騒ぎする宴会……だという。
そんなの、毎日、こっそり、独りで、やっとるわい!

雨に交じって、梅の花がしきりに散る。
去年は、花が少なく、実があまり成らなかった。
梅干し用の実が少ないのにがっかりした我が相方。
どこで教えてもらったのか、手にノコギリを持って、梅の木に向かって「成るか成らぬか。成らねば切るぞ」と脅しをかけている。
それに合わせて孫たちが、梅の木の下で「成ります。成ります」と叫ぶ。
「成り木責め」という豊作儀式で唱えられる呪文だ。
それが効いたのか、今年は、見事に花をつけてくれた。
困ったものだ。

豊作をみこんでか、最近、味付け海苔やらインスタントコーヒーをやたらと買ってくる。
梅干しを漬けるのにちょうど良いのだと言う。
しとしとと雨が続き、梅の実が落ちるころになると、せっせと瓶に梅を漬ける。
十や二十やらではない。
「そんなに漬けて、どうするのだ」と言うと、友達から予約が入っているのだという。
それはいいのだが、カビが生えないように冷蔵庫に入れるのはやめてくれ。
冷蔵庫が梅干しでぱんぱんになる。
酒の肴にしようと、昼食の残りを冷蔵庫に入れておこうものなら、いつの間にか梅干しの瓶に取り囲まれて、取り出せない。
雨にうたれて散る梅の花を見ていると、少し憂鬱になる。


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