精神科医の先生が臨床の経験を元に書かれた本で、すごく本当らしい、確からしさにあふれ
ているなと感じられました。。30歳を過ぎてからのフランス留学の体験からも、日本全体に
漂う神経症的な雰囲
気を指摘していらっしゃいました。
例えば、「今の仕事をほっぽりだして、フランスへ行くなんて無責任だ!」などという言葉を
筆者に投げつけた元同僚と対照的に、フランスでは、「素晴らしい決断をしたね。」とい
うことをいわれたとか、わかるわかる、と思えました。
最初に、アメリカの劇作家、テネシー=ウイリアムズの「ガラスの動物園」からのエピソードで
この本は始まります。ユニコーンの置物を落として角を割ってしまった少女。「これでみんなと
同じね。」と。
筆者はだれでも、人は角を持って生まれてくると言っています。成長とは、自分になるプロ
セス、なのに、そうはしにくい雰囲気が日本の日常にはある。もちろんこれは外国の話だし、
外国でも同じような悩みはあるでしょうが、いろんなプレッシャーに押しつぶされている人
の存在をニュースや電車の中など、日常に、私も感じます。
体は自然とつながっていて、自然でいたいのに、頭(脳)が、無茶なコントロールをして、拒
食症だとか、過食症だとか、かかってしまう。その説明の図に、幸せに生きる考え方のヒント
をもらった気がしました。