前を向いて歩こう

 何歳になっても、前を向いて歩いていきたいものだと思います。
 

窓際のベッド by M.スコット・ペック

2013年07月22日 17時15分36秒 | 

 前作つながりで、こちらは、フィクションです。

物語だと、スコット・ペックさんの考えがもっとよくわかるかもと思い、読んでみました。

老人ホームが舞台で、導入の登場人物全員がその後の展開のメイン登場人物でないため

か、読み始めで挫折しそうになりましたが、「翼のように広がる建物」というところで、ちょっと

興味を引かれ助けられ、看護助手と理事長の登場を過ぎると、そのまま最後まで読むこと

が出来ました。

 物語を読んだのは久しぶりでした。キャラクターをつかむのに、少し手間取りましたが、

途中から殺人事件のミステリー仕立てなので、どきどき読み進めることが出来ました。

  前回読んだ心理療法の事例集の本も、「邪悪」がテーマでしたが、この本も、また、そうでし

た。

 「邪悪」とは、前作で言うと、自殺した兄が使った銃をクリスマスプレゼントに親からもらった

子どもの心に起こるような動揺、迷い、混乱、を引き起こす「もの」、その親の「無自覚で破壊

的な行動」だと、良心を持つ人からは「良心はないのか」と言われてしまうような行動、

だと解釈しました。

 

 そして、今回の本では、3人が「邪悪」のモデルとして、出てきたと思うのですが、

「邪悪」とはいえなくても、覚醒する前の警部、良くなる前の見習い看護婦など、

鈍感ということも、危険なことで、この本の中では劇的に、良くなっていきましたが、

そのような、劇的な変化が実際の人にも起こっている事例は、作者は知っているのだろうし、

それが、救いの小説でした。

 

コメント
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