私は音楽が大好きです。
来世の職業は、作曲家と決めています(笑)。
私は、いついかなるときも、歌を作ることができます。
ここで、作曲の秘密を発表!
実は・・・
「本当にいい音楽とは、その状況に適合した、そのときに誕生した歌」
なのです。
私は、私のために、「今」に適した歌を作れます。
だから、いつも健康でいられます。
病気になりそうなときは、
それを治す働きのある音楽を作曲します。
・・・というわけで、
作曲家は、「最高の職業だ」と考えております。
昨日の日記で、「童話を2編見つけた」
と書きました。
今日は、2編目。
なぜ最初に、音楽の話?
今日の童話は「音楽の好きなトンボ」の話。
昨日の1/3くらいの長さ。
全部、ひらがな・・・で、書かれています。
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おんがくの、すきな、トンボ
ヒット大地
「ワーン、ワーン」
いっぴきの、トンボの、おとこのこが、きのえだに、とまって、ないていました。
きいろい、アゲハチョウの、むすめが、とおりかかりました。
トンボに、たずねました。
「あら、どうしたの?」
トンボの、おとこのこは、なくのを、やめて、アゲハチョウに、いいました。
「だって、ボクのおともだちが、にんげんに、つかまっちゃったんだ・・・
はねを、むしられて、ころされちゃったんだよ!」
アゲハチョウは、まゆを、ひそめました。
「まあ、かわいそうなこと!」
トンボは、かなしそうに、つぶやきました。
「それにしても、にんげんて、ざんこくだよね。あんなことを、するなんて!」
「・・・・・」
「にんげんて、どうして、あんな、ひどいことを、するんだろうね!」
アゲハチョウは、とても、かなしそうな、かおで、すこしのあいだ、かんがえごとを、していました。
しかし、しばらくして、なにかに、きづくと、えがおで、いいました。
「ねえ、トンボくん、ちょっと、わたしのあとに、ついてこない?」
「え?」
トンボは、ふしぎな、かおをして、アゲハチョウを、みやりました。
アゲハチョウは、ニコッとわらうと、いいました。
「とても、いいところが、あるのよ!」
「・・・いいところ?」
トンボが、なきやむのを、みて、アゲハチョウは、みをひるがえすと、
かわのほうに、とんでゆきました。
トンボは、いっしゅん、まよいましたが、「いいところ」ときいて、
アゲハチョウのあとを、おうことにしました。
アゲハチョウは、かわをこえ、はたけをこえ、はやしをこえ、いっけんの、いえの、のきさきに、とまりました。
トンボも、そのとなりに、まいおりました。
アゲハチョウが、いいました。
「ねえ、みみを、すましてごらん?なにか、きこえてこない?」
「え?」
トンボが、みみをすますと、へやのなかから、おんがくが、きこえてきました。
かすかに、きこえる、おとですが、とても、きれいな、メロディでした。
トンボは、すぐに、そのすばらしさに、こころを、うばわれました。
トンボが、じっと、ききほれているのを、みて、アゲハチョウは、ニッコリ、ほほえみました。
「まいにち、いまごろ、きこえるのよ!」
トンボは、もはや、なにも、こたえません。
ただ、いっしんに、おんがくに、みみを、かたむけているのでした。
(なんて、うつくしいメロディなんだろう!
いままで、こんなメロディは、きいたことがないな!)
トンボが、なおも、じっと、きいていると、そのうち、きづくことがありました。
いろいろな、がっきが、とうじょうしてきて、さまざまな、メロディを、かなでます。
それぞれの、がっきは、ながれるように、たのしい、おとを、だしています。
そのうち、トンボのこころは、どんどん、すんでゆきました。
クリスタルか、めのうのように、とうめいに、なってゆきました。
トンボは、すっかり、おんがくに、こころを、うばわれ、
いつまでも、いつまでも、きいていたい、きもちがしました。
と、アゲハチョウが、いいました。
「このいえの、おじょうさんが、おんがくが、すきみたいなの!」
トンボは、われに、かえり、こたえました。
「え?おじょうさん?」
「ええ。いつも、おとを、ちいさくして、きいているの。
きんじょの、めいわくに、ならないようにって・・・」
トンボは、たずねました。
「・・・じぶんでは、やらないの?」
アゲハチョウは、ニコッと、わらって、こたえました。
「たまに、ピアノを、ひくこともあるわ・・・
でも、あまり、じょうずじゃないみたい、ふふふ」
「ふーん」
トンボは、ニッコリ、わらうと、もういちど、メロディに、じっと、ききいりました。
たしかに、とても、ひくい、おとで、よほど、みみを、すまさないと、きこえません。
そのうち、いっきょくの、おんがくが、おわりました。
すぐに、にきょくめが、きこえてきました。
これまた、たまらなくなるほど、すばらしい、きょくでした。
トンボは、あたらしい、メロディに、みをまかせました。
ふたたび、うっとりと、おちついた、きもちに、なるのでした。
しばらくして、トンボは、おもわず、つぶやきました。
「にんげんて・・・すごいんだね!こんな、おんがくを、つくれるなんて!」
アゲハチョウは、うれしそうに、ほほえみました。
「フフフフ・・・たしかにそうね。
ようするに、いろいろな、にんげんがいるのよ。
わるい、にんげんもいる。
でも、すばらしい、にんげんも、たくさん、いるってことよ!」
トンボは、それには、なにも、こたえず、また、おんがくに、みみを、かたむけました。
にきょくめも、おわり、さんきょく、よんきょくと、ききつづけました。
トンボは、どんどん、ゆかいな、きもちになりました。
さきほどのまでの、かなしい、きもちは、すっかり、きえていました。
なんきょくめを、きたころでしょうか?
ふと、きづくと、アゲハチョウは、もういません。
トンボは、ひとつ、ためいきを、はくと、
まっさおな、なつの、そらを、みあげました。
うつくしい、おんがくを、きいたあとの、そらは、いっそう、すみわたり、
キラキラと、うすむらさきの、すいしょうのように、かがやいて、みえました。
そらばかりでは、ありません。
はやしの、きぎも、はたけの、やさいも、いままでいじょうに、あざやかに、はえてみえました。
とりたちの、さえずりも、かわの、せせらぎも、こころの、おくそこまで、ひびくように、
たまらなく、みりょくてきに、きこえました。
すっかり、ゆかいになって、トンボは、むねいっぱいに、
くうきを、すいこみました。
その、くうきは、なんと、おいしかったことでしょう!
このひ、いらい、トンボは、かなしいや、くるしいことが、あると、かならず、
おじょうさんの、ところに、おんがくを、ききにきました。
のきさきに、とまり、じっと、うつくしい、メロディに、ぜんしんを、まかせるのでした。
かなしいことも、わすれることができました。
くるしいことも、すぐに、きえて、なくなりました。
トンボは、いつしか、にんげんが、とっても、すきになっていました。
そしてまた、このよに、うまれてきたことに、ふかく、かんしゃを、するのでした。
あるひの、ことでした。
おじょうさんの、いえの、のきさきには、
にひきの、トンボが、いっしょに、おんがくを、きいていました。
もうひとりは、しっぽが、まっかに、そまった、げんきな、おんなのこの、トンボでした。
どうやら、しょうねんの、トンボにも、すてきな、ガールフレンドが、できたようです!
きがつけば・・・・
そんな、ふたりのいる、けしきには、
あきの、けはいが、すこしずつ、ちかづいているようでした。
いつのまにか・・・・
かわもを、はしる、かぜが、すこしだけ、すずしく、なっているようでした。