最近の日本社会の特徴は、
あまりに「金権主義」だ。
何でも、金中心。
確かに昔も、ある程度、そうだったし、
お金がないと、人間は、生きてゆけない。
でも、昔は、もっと節度があった。
人情があった。
10年位前のことだ。
ヒット大地は小さな出版社をやっていて、
印刷機が壊れた。
印刷機械メーカーに、電話で、尋ねた。
すると、「修理の出張に出向く」という応えだった。
費用は、出張だけで、14000円だ。
ヒット大地は思った。
出張だけで、そんな金を払うのはバカらしい。
そこで、電話で、いろいろ故障箇所の可能性をたずねた。
しかし、要領を得ないので、
結局、出張してもらうことにした。
数日後、30歳くらいの社員が来た。
彼はすぐに、「ヒューズが切れている」と言った。
その間、5分。
ヒット大地は、たまげた。
自分のおろかさにも、驚いたが、
この社員にも、「いやな奴だ」と思った。
ヒューズは1個、100円だ。
市販されている。
電話で「ヒュースを調べてください」
と一言言ってもらえば、100円の出費で済んだ。
14000円を払う必要はなかったし、
また、すぐに機械を使えた。
ヒューズを取り替えて、14000円なら、
時給、10万円になる
(ただし、車で来たので、その時間を除くが・・・)
ヒット大地は約束なので、仕方なく、14000円+100円を払った。
しかし、釈然としないので、
その会社とは、自然と、疎遠になった。
今でも、この会社からのハガキは、年2度届く。
「正月とお盆」の営業休止のお知らせだ。
その会社とは、そりきりの関係になった。
もしも電話でヒューズのことを教えてもらっていたら、
もっと密な付き合いになっていたかもしれない。
つまり、この会社にとっては、
「ヒューズ金儲け事件」は、マイナスの出来事になった。
お金で成功するつもりが、人情を忘れ、失敗したのだ。
ヒット大地は、もうひとつ、考えたことがある。
この会社は、誰もが知っている大企業だ。
だから、ヒット大地が100万で、
この印刷機を買ったときの営業所以外にも、
全国に支店が多数ある。
ヒット大地は引越しをしたので、
別の営業所担当になった。
そう。
そういう経緯もあり、
ヒット大地は別の営業所では、「馬の骨」になったのだ。
前の営業所なら、
もっとアフターケアは、
一人のお得意として、親身にしてくれたであろう。
「お得意」から、「馬の骨」になったヒット大地は、
冷たくあしらわれた・・・ということだ。
大企業志向の強い日本社会・・・
小さい会社の良さも、見直したら、どうだろう?
ところで・・・
ヒット大地は、いろんな大企業に電話をする。
どの大企業も、電話応対だけは、やけに丁寧。
しかし、心がない・・・と思うのは、ヒット大地だけだろうか?
心のない会社は、発展しないと思うのだが。