大地一人、
モンゴル力士のおかげで八百長は減った・・・
と思っている。
若い人は知らないだろうが、
1980年代後半の大相撲は、八百長だらけだった。
八百長、八百長、八百長、八百長・・・だった!
八百長をしてないのは、
出羽の花、大乃国、保志(現八角理事長)、富士桜、巨砲
・・・など、ごくごくわずかだった。
ある大横綱も、
元関脇の板井氏によると、
「その横綱は、一場所のうち、8~10番くらいは、星を買っていた」
と証言している。
たぶん真実だと思う。
しかも、当時は、有名な「大関互助組合」があった。
当時の一部の大関たちは、
「買える取り組みは全部買っていた」と言われる。
この「大関互助組合」は昭和40年代後半あたりから顕著になった。
日本の相撲の悪しき伝統である。
そしてもうひとつ!
千秋楽で、7勝7敗の力士は、ほぼ間違いなく、
勝ち越していた。
これも日本の相撲の悪しき伝統である。
また大関昇進や横綱昇進のかかった一番では、
当該力士は、非常に高い確率で、勝利している。
これも間違いのない事実である。
・・・以上は相撲ファンなら皆知っている真実である!
また、これらの真実は、週刊ポストや週刊現代が、
執拗に紙面に掲載し、明らかにしている。
しかし、その後、元佐田の山の出羽海理事長や、
初代若乃花の二子山理事長が、
「八百長撲滅」に努力すると同時に、
1990年代にモンゴル力士が増えてきて、
また横綱貴乃花の努力もあり、
日本人同士の八百長が減ってきた。
先日、森 清勇氏の「相撲道の精神を失った角界に愕然」の文章を読んだ。
とても失望した。
あまりに大相撲の一部しか見ていない一方的な文章。
正直、50点くらいしか上げられない。
この文章の主旨は、以下のようなものだ。
「日本の大相撲が、モンゴル力士の傲慢な態度や、怪しい相撲によって、
本来の相撲道が、勝てばいいというSUMOに変わっている」
というもので、モンゴル力士を厳しく責めている。
しかし、1990年代に、モンゴル力士が誕生する前の大相撲は、
あまりにひどかったのだ!
(注:モンゴル力士の元祖・旭鷲山は1992年初土俵)
とても相撲道などとは呼ないシロモノだったのだ。
なにしろ、八百長をしてないのは、
出羽の花、大乃国、保志(現八角理事長)、富士桜、巨砲
・・・など、5人くらいしかいなかったんですからね!
それを知っていれば、森氏も、
恥ずかしくて、相撲道などとは書けないはずだ。
次に、森 清勇氏は、白鵬のカチ上げを、「エルボースマッシュ」であり、
スポーツ評論家の玉木正之氏は「反則」と考えていることを述べている。
しかし、これは何度も述べているが、
カチ上げをすると、腋が開き、
相手にマワシを取られやすくなる。
また「エルボースマッシュ」を受けた相手力士は、
次回は、警戒するだろうし、敵意を燃やすだろう。
逆効果でもあるのだ。
何より、相撲協会の理事たちは、
反則としていない。
ということは、反則ではないのだ。
彼らは相撲というものをわかっているから、
反則にしないのだ。
ただし大地一人、モンゴル力士を単に褒めているのではない。
白鵬の初場所の抗議は、
最大限に非難されるべきだ。
「一場所、出場停止」でもいいくらいだ。
ただ白鵬のいいところは、
すぐに詫びるし、あとは健康維持のために、
断食や玄米食をしている。
こういうところは、他の力士も大いに見習うべきだ。
あともう一つ。
白鵬に同情したいのは、
心無い観衆の「偏狭な日本人力士愛」である。
たとえば、稀勢の里ー白鵬戦では、
観衆のほとんどは、稀勢の里に大応援している。
こういう体験を、何度もすると、
白鵬も、「依怙地」になって当然と思う。
土俵の上では、国籍は関係ない。
強い力士は、称賛されるべきであるし、
日本人力士だからと言って、
一方的に声を出して応援するのは、
逆に、日本の自殺行為ではないだろうか?
1941年12月8日、真珠湾攻撃成功の後、
皆が気が狂ったように熱狂する中、
作戦を立案した山本五十六だけは、
重苦しい顔をしていたと言う。
彼は日本の実力や将来がわかっていたのだろう。
だから喜べなかったのだ。
現在の稀勢の里が絶不調なのは、
日本人観衆の偏愛のせいだと思う。
民族差別なく、きちんと応援すれば、
稀勢の里もやる気が出るし、
白鵬も、あれほど怙地にはならないと思う。
それより何より、
白鵬のおかげで、大相撲の人気があるし、
日本人力士が弱い以上、これはもう、仕方がないではないか!
森 清勇氏は自衛隊出身ということだが、
己を知り、相手を知ったとき、
本当の勝利が見えてくるのではないだろうか?
どんな民族でも、褒めるべきは褒めるのが、
本来の日本人のあり方ではないだろうか?
日露戦争や第一世界大戦後の
ロシア兵やドイツ兵は、
四国の松山や徳島の捕虜収容所で、
日本人のすばらしさを実感したのである!
その理由は、四国の人たちは、
温かく、捕虜たちを出迎えたからである!
これぞ、日本人の大美徳である。
モンゴル力士は、いいところは褒め、悪いところは叱責し、
大相撲を発展させたいものである。
森氏のような偏狭な心を持つ上官なら、
部下・大地一人はとても心配ですたい。
(森氏は大地一人の愛する熊本出身なので、
最後は、熊本弁を使いました、ハハハハ)