山形弦楽四重奏団 ブログ

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山形Q 練習日誌53-Vol.8(茂木記)

2014-09-14 23:55:49 | 練習日誌
 今月は、山形交響楽団か山形Qばかりと言っても過言ではありません。

 しかも旅に出てばかり。

 でも本日はさすがに、家族と河原で大鍋の芋煮を食べつつ申し訳無さそうに普段の不在を詫びて過ごし・・・

 などという事をせず、やはりコミセンに集っておりました。貴重な休みの日に、新婚の川上さんまで巻き込んで室内楽を弾きまくる、ひどい話です。家庭に不協和音がうなりをあげたらどうするんだ!!!

 という訳なのか、本日のリハはモーツァルトの弦楽四重奏曲第19番「不協和音」からスタート。そして四重奏の曲は「不協和音」のみ。

 本番まで二週間と少しとなった現在、乗り越えなくてはならない壁は「バランス」に有り。

 今回、表現を今までよりも深く掘り込む分、モティーフの切り替わりを上手に作らないと、曲の御面相がうまく整いません。その作業は、木にモティーフを刻み込んでゆくのにも似ています。どっち方向に角度を付けて掘り込めば、周囲に配されたモティーフとのより効果的な接続が得られるのか。誰のパートが切っ先となって掘ってゆけば、刃全体である皆が淀み無く導かれるのか。切っ先となり導き手となるパートの奏者がどのくらいの気持ち(勢い)で掘り込むと、作品に相応しい表現の幅・深さでモティーフが刻み込まれるのか。切っ先となるパートが込める力加減は、出来上がるモティーフの印象を左右し、曲の御面相を創ります。そして切っ先に込める力加減、それこそがアンサンブルを行う中で一番重要な各パート間の「バランス」を生み出す大切な要素のひとつであり、非常に難しいところでもあります。

 モティーフを刻み込む際に切っ先を司る役割は、各パートの間で巡ってゆきますが、それを任される機会がなぜかとても多いパートがセカンド・ヴァイオリン。かなり神経を使うポジションです。しかも今回は、今までよりも表現を掘り下げる深さを深くした分、これまで演奏してきたバランスだとうまく全体が整わない場合が多いのです。男三人衆も曲中に「バランス」の要を任される場面が有りますが、セカンド・ヴァイオリンが任される場面に比べると簡単な場合が多いです。なにせ、セカンド・ヴァイオリンの場合は「この上なく忙しい場面なのに任される」「なんだか滅茶苦茶弾きにくい音形のところなのに任される」「楽器がなりにくい音域を弾いているのに任される」「なぜかしょっちゅう任される」の四重苦。モーツァルトでは、セカンド・ヴァイオリンの四重苦が特に顕著です。

 ゆえに、山形Qのおぢさん三人は、めちゃくちゃ頑張ってくださる今井さんに頭が上がりません。リハ中、共演の川上さんもそんな今井さんをいたわってくださいます。四重奏のセカンド・ヴァイオリン奏者は、誰もが認める第一功労者なのでした。

 というわけで、皆さんも今井さんを応援してくださいね!!

 最後に川上さんとの合わせもちゃんとやりました。モーツァルトの五重奏、その他色々。素晴らしい、癒しのサウンドですね。。。

 こちらの本番は21日の日曜日になります。

~チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動しています。~
 ただいま 10 箇所

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