仕事の都合もあって、三週間も遠征なし。
東京に27cmの積雪をもたらした寒波は、高松にも雪をもたらした。9日の日曜日、久しぶりの遠征と、氷瀑への期待を胸に徳島の山中に向かう。
高速板野ICをおりてR438経由で神山町へ、R193へと分岐する頃から道には雪が目立ち始め、神通滝への山道は雪道となっていた。
途中、ザックを背負って歩いている二人連れを追い抜いた。、後で神通滝に向かっているのかもと思い、声をかけて乗せてあげればよかったかと思ったが、思いつくのが遅かった。
9時過ぎ、神山町の神通滝登り口に到着した時には、駐車場は一杯。かなりの人数が来ているようだ。
雪が多いので、簡易アイゼンをバックに入れて長靴履きで神通滝へむかう。いつもなら中間点くらいから道が凍結してアイゼンが必要になるが、今日は滝前まで雪の道が続き、アイゼンを使うことなく神通滝に到着。
最後の岩陰を回り込んで目にした神通滝は、しっかりと流れており、氷瀑としては期待はずれである。
降りてくる集団とすれ違いはしたが、滝前には思いのほか人が少ない。ほぼ同時に着いた集団も、写真を数枚撮っては帰っていく。残っているのは、流れに入って氷を熱心に撮っている男性一人だけ。
滝壺には大きなドーム状の氷があることから、昨日からの雨で水量が増して溶けていることが想像できるが、周囲の岩肌の氷は少なく、氷瀑としてみれば、今まで訪れた中で最もさえないように思える。
気がのらなかったわけではないが、あまり枚数を撮ることなく神通滝を後にする。
訪れた記念になる絵を数枚。
上の絵は苔のついた岩肌に水しぶきが張り付いたものと思われる。
滝から降りて来る途中、やはり最初に出会った二人連れとすれ違う。大学生くらいだろうか、下からここまで歩いて来るとは、元気な方たちである。
当初の予定は、氷生ケ滝に向かうつもりだったが、あまり期待できそうにないので母衣暮露の滝に向かうことにする。山道を降りていくと、途中で車が停まって道を塞いでいる。廻りで何やらやっているようなので、少し手前に車を置いて近づいてみる。
そこで見知った顔を見つける。青の旅人さんである。秋の飯野山ダイヤモンドで会って以来だが、顔を覚えるのが苦手な私が、しっかり顔を覚えていた。
事態は、青の旅人さんの車が雪道を登れなくなり、そのあとから来た軽も、一度止まってしまうと登れなくなってしまったらしい。後ろから押しても、タイヤは空転するばかりで前に進まない。少し広くなっている場所なので、脇に退避したいがそれもできない状態である。先に停まった軽の人たちが、雪をどけようとしているが、簡単に除雪できる量ではない。そうしているうちに下から何台も上がってきた。そのうちの一人から牽引ロープを借りたのだが、青の旅人さんのSPIKEで牽引ロープをかける場所がわからない。携帯でHONDAサービスに電話したりして、やっと牽引ロープをかけ、私の車で引き上げる。何とか退避場所で向きを変えることに成功して、後続車を通すことができた。
先ほどロープを借りた人の車はチェーンを巻いているが、それでも前輪は空転してなかなか進まない。以前あるHPでFFにスタッドレスを履かせても、登り道では効果なしと読んだことがあるが、その通りのようだ。青の旅人さんのSPIKEもスタッドレスを履かせているが、やはりFFである。(余談だが、青の旅人さんの前の車はCR-Vで私と同じである。)
一緒にいた軽の方も、青の旅人さんも、先に進む意欲をなくしてしまい、今日は引き上げるという。今日の神通滝は期待はずれですよとデジカメのプレビューを見せると、さらに引き返す気持ちを強めたようだ。軽の方達は今日がこの車の最後のドライブでしたと笑いながら降りて行かれた。青の旅人さんも私に続いて降りはじめる。
R438まで出たところで車を停め、これから母衣暮露の滝に向かうつもりだと告げると、青の旅人さんはこのまま帰るという。私は美郷へと抜けるR193で山越えをするが、この道も雪道になりそうなので、先ほどの事態の後では遠慮したくなるかも。
経の坂峠を越え、美郷側に降りると、県道250号に入り、母衣暮露の滝をめざす。
県道に入ってすぐ道は雪に覆われるが、三年前程は積もっておらず、すんなり滝まで到着。滝遊歩道の少し手前の空き地に白いヴェゼル、遊歩道わきには黒い軽が停まっていたが、どちらも香川ナンバーだった。
やはり長靴で遊歩道を登っていく。入れ違いで降りていくグループとは挨拶しかできなかったが、撮影中だった二人連れとは少し話ができた。夫婦らしきお二人が、先ほどのヴェゼルの持ち主で、二人ともしっかりした装備で、熱心に撮っておられた。聞くと、ノーマルタイヤでここまで来られたようで、やはり四駆は強いようだ。
お二人を見送りながら、昼食を取り、撮影開始。とはいえこちらも解け始めており、迫力ある氷瀑とはいいがたい。
この滝にしては珍しいほどの水量がある。岩肌に張り付いた氷が時折崩れ落ちてくる。側面へと回り込むとつららの下に立つことになるので注意しながら撮影。撮影している最中にも氷壁が崩れ落ち、岩肌が見える部分が増えてくる。
程々で撮影を切り上げる。今日おとずれた二つの滝は、昨日おとずれることができればもっと見事な姿が見られただろうと思い、週末だけしか動けないのが残念だと思う。
午後2時過ぎ、母衣暮露の滝を後にする。雪が解けはじめ、時折黒い水たまりが見える細い山道を戻っていく途中、白いヴェゼルを追い抜いた。やはりノーマルタイヤでは無理ができないようだ。
帰宅したのは3時40分 195km 2,693歩の遠征は、今一つ期待はずれであったが、久しぶりのお出かけには十分楽しめるものであった。