タクシーで降り立った奈義町現代美術館。
タクシーの運転手さんには、
(美術館には)タクシーもいないし
バスしかないから、バスの時刻ちゃんと
確認しておかれーよ。
バス停はあそこにあるな。
と、指さしながら
行先は津山のみやけー迷わんやろ。
美術館後の行動を心配してもらった。
前夜「奈義町 ランチ」とかで調べても
ピンとくるものがなく、
なんとなく美術館後は周辺をうろうろせず、
津山に出て食べようか
という雰囲気になっていた。
さて、この奈義町現代美術館。
「建築家とアーティストが共同制作した空間的作品を常設展示」
していて
「空間的作品」というコンセプトらしい。
太陽、月、大地の3つの展示室を「体感」できる。
入ってすぐある「大地」
写真では大地感が出せない・・・
続いて、「月」の部屋
三日月のような形の湾曲したお部屋。
声が「わんわん」響いた。
そして、「太陽」
美術館に入る前、
「太鼓のようなものがある」
と思って見た円柱のような建物の中に入る。
足元がおぼつかない感じで、
浮遊感に包まれる
そんな不思議な空間。
龍安寺の石庭が両サイドにあり、
上下はベンチとシーソーが対になっている。
少しシーソーでも遊んでみた。
「触るな」とか「入るな」とか
そんなよくある禁止事項がなく
自由に味わえる、そんな美術館だった。
企画展では羊をモチーフにした作品を描く
泉谷淑夫展をやっていたので、それも観賞。
ニュージーランドが縁で出会った私たち。
企画展が「羊」なんて、素敵な偶然、
と話ながら。
(ここは写真NGでした)
たっぷり1時間くらい堪能し、
バス停まで歩いて時間を確認すると、
ちょうど10分前に行ったばかり。
50分後までない。
奈義町のカフェ(喫茶店)で調べていたところが
ひとつ、バス停近くにあったので行ってみるも
「closed」の看板・・・。
バス停をてくてく歩くと、2つ先に
もう一つの喫茶店が。
なにしろ、ネットで調べる限り数少なかったので
情報はすっかり頭に入っていた。
歩きつつ、その喫茶店に入ろうとした頃には
バスの時間まであと20分。
悩んだけど、喉も渇いていたのもあり入ることにした。
THE喫茶店、という感じ。
こういうところ、割と好き。
だけど、頼もうとしたジンジャエールが
「いまはない」ということで
アイスレモンティーを注文。
なんだか出てくるの遅くて
バスまであと10分。
先にお会計をさせてもらって、
文字通り「きゅーー」っと飲む。でも
「時間ないんです」アピールをしたくなくて
できるだけさりげなく時間を極限まで溜めて
出たつもりだったけど、
「ごめんね、時間なかったんだね」
とおばちゃんに言われてしまった。
「すみません。バスに乗るので」と言うと
「バス停過ぎてしまっても手をあげたら
停まってくれるから!」と。
笑顔でお店を後にし、バス停に戻る。
ほどなくバスがやってきた。
あとは終点津山駅まで、
と安心して座る。
車窓を眺めていると、頭にインプットされていた
奈義町の飲食店が流れていく。
「あ、中華屋さん!」
「ここまでは歩けんね」なんて苦笑。
車だとどうってことないけどね。
そんな不便さも
旅の楽しみのひとつになることもあるよね、
なんて話ながら、
ゆらゆら揺られ、津山駅に着いたのは13時すぎ。
お昼は、B級グルメの「津山ホルモン焼きうどん」
に決めていた。
せっかく津山にきたから、津山観光は?と探して
古い町並みの残る津山城東界隈に行こうとなり
駅にあったホルモン焼きうどんマップで見て
城東界隈の道すがらにあるところをチョイス。
・・・・が、なんと
「しばらくの間休業いたします」の看板。
そんな情報、うどんマップにも、ネットにもなかった。
愕然としながら、マップで別の店をチェックする。
時間は13:40を過ぎている。
14時までのお店は移動を考えると厳しい。
駅の真ん前にあるお店まで戻るのは
時間と暑さからしんどいな、ということで
来た道をやや戻ることにはなるけど、
「ぷちとまと」というお店に決めた。
ホルモン焼きうどんマップに載っているお店は
目印に旗が立っている。
あった、あった、とようやくたどり着いてほっとする。
中に入ると、思ったよりきれいで(失礼)、
感じのいいおじさん、おばさんが切り盛りしていた。
ホルモンが苦手な人のために
豚肉バージョンもあったけど、
やはりここは正式バージョンでホルモンを。
ほんとはホルモンは
そんなに得意じゃないんだけど(^^;
でも、ピリ辛味噌ソースはとっても美味しく
ホルモンも美味しかった!
食べて良かった。ここのお店で良かった!
腹ごしらえをすると、一気に元気になり、
いざ城東地区へ!
静かなたたずまいで、しっとりと散策。
ただただ暑い・・・。
昔は皮膚科診療所だったというところ。
いまはこの土地の画家・河野磐さんの美術館に。
彼がふすまに描いた絵が「作州城東屋敷」
にあるというのでそちらに向かう。
町の方たちが持ち回りで店番をしている、
と話すおじちゃんがたくさん説明してくれた。
この絵は四季を表現している、と。
そしてここでは、選挙のときに投票所になるんだよ、などと。
ありがとう、と言って出ようとすると
だんじりを見ていかれー、と言って、
裏の保育園を改装したという保管倉庫に
案内してくれた。
中にはもっとも古いので安政三年のものから、
明治のもの。
今もお祭りになるとこのだんじりが練り歩くという。
熱心に説明してくれるおじちゃん。
次に立ち寄った箕作阮甫旧宅でも、今度は
おばあちゃんが熱心に説明。
だけど残念ながら、この日岡山から移動する私は
時間のリミットが迫っていた。
もっとゆっくり散策して
お茶もしたかったね、
と後ろ髪ひかれる思いで
津山駅に急ぎ足で戻る。
速足で歩く私たちに、道行くおじさんが
「暑いねー。どっから来たのー?」
と声を掛けてくれる。
「高知から」と答えると
「おお、うちの兄貴が高知で皮膚科をやってるよ」
なんて。
おもしろいなー、なんて思いながら
時間がないので速度を緩めることもできず
少し話しておじさんと別れる。
津山駅発16:10のバスに5分前に間に合った。
今はキャンペーン中で1,100円のところ800円。
ラッキーでした。
ここから岡山まで約2時間。
安心してウトウト。
岡山駅について、お土産物をちらちらとみて、
桃を買おうかどうか悩んでた私に
記念に買ってあげる!とHisako。
桃だけじゃなく、津山のお煎餅、
旅館で美味しいねー、って言って食べた
きゃらぶきの佃煮、とたくさんの
心遣いをもらった。
ありがとう。
夜ごはんは「岡山ラーメン」
そんなものの存在は知らないぞ、と思いながら
食べようと思っていた岡山名物「えびめし」のお店が
喫煙席しか空いてなくて辞めた(2人とも嫌煙家)
ので、昼も麺類だったけどねー。といいながら
岡山ラーメンなるものへ。
豚骨しょうゆだけど、むつこくなく
おいしかった。
なにより女性客が多かった。
お店がきれいで、店員さんも女性が多かったからかな。
そんなこんなで、1泊2日の岡山旅。
再会も嬉しかったし、
思っていた以上に観光・グルメも堪能できて
楽しい2日間となった。
思いつきで行って、予定を決めながらの旅。
やっぱり楽しいな。