大好きなマンガ

「GT roman」というマンガがあります。
国内外の魅力的なクルマ（主にスポーツカー）と、
それを操る個性的な登場人物たちが、
「roman」という店名のカフェバーと峠道を舞台に、
愉快な物語を繰り広げます。
スポーツカーを好きな方なら、愛読されているか、
少なくともタイトルくらいはご存じなのではないでしょうか。

このマンガには、作者である西風さんの、
クルマへの思いや愛情がたっぷりと詰まっていて、
スポーツカー好きの「ツボ」を突く名シーンや、
思わず「そうそう！」と叫んでしまいそうになる名セリフ、
本当に疾走しているような、いきいきとしたクルマの絵などが、
コミックス第１巻が発売されて２０年近くたった今も、
僕の心を捉えて放しません。

「GT roman」の面白いところは、
話に登場するクルマのイメージと、
それに乗る人物のキャラクターが絶妙にマッチしていて、
そのキャラクターがクルマの個性をさらに際立たせているところです。
つまり西風さんは、クルマの魅力を最大限に表現するために、
キャラクターの設定を工夫し、
さらにそのクルマと人物のキャラクターを生かしたストーリーを練っていたのだと想像しています。
それでいて、「まずクルマありき」の不自然な流れになっておらず、
物語の中に必然性を持ってクルマが溶け込んでいるところが、
西風作品のレベルの高さを示しているといえるでしょう。

僕が乗っていたポルシェ９４４Ｓ２は残念ながら登場しませんが、
一つ前の型である９４４Ｓは、ほんの少しだけ出てきます。
その話の主人公であるランチアデルタＨＦインテグラーレに、
なんと峠道（おそらく箱根）であっさり抜かれてしまうという、
ちょっと冴えない役回りです。

西風さんの作品は、「GT roman」以外もほとんど読んでいますが、
僕の知っている範囲で、９４４の登場はこの１回きり。
もう少し活躍するお話を描いてもらうようリクエストできないかと、
ほんのちょっとだけ心に引っ掛かっています（笑）。


☆何度も何度も覚えるくらい読み返しています☆