ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ 瀬戸内寂聴が書いた「絵解き般若心経」を読んで!!

2008-05-03 18:19:33 | Weblog

 仏教に興味をもってからは、これまでに仏教に関する書籍を多く読み、それぞれに感動し
ました。自分の中で仏教は、人としてどのように生きるかとか人生をどのように考えるか、
さらに何のために生まれそして死ぬのかを探求することを手助けしてくれる存在です。

 宗教としては仏教のほかにキリスト教やイスラム教等がありますが、個人的には仏教の考
え方に素直に賛同できます。それは無理なく自然に心に入ってくるものです。またそれは日
本の文化に根ざした部分が影響しているのだと思います。

 さて今回の話である般若心経は、一般には600巻に及ぶ「大般若波羅蜜多経」のエッセ
ンス等といわれています。エッセンスだから本当に短いなかに本質が埋め込まれているので
す。なんと266文字の本文に大乗仏教の心髄が説かれているとされており、宗派に関係な
く読誦経典の1つとされているお経です。

 これまでに般若心経に関する書籍も多く読みましたが、これまた読んでいて感動する内容
です。皆さんにも是非ともお勧めしたいと思います。最近読んだ般若心経に関する書籍の中
では、瀬戸内寂聴が書いた「絵解き般若心経」朝日出版社が手ごろに読めてよい書籍だと思
っています。

 内容を分かりやすく表現しているので読んでいてストンと心に落ちてくるとともにで、読
み終わると何故か心が軽くなり穏やかな気持ちになります。分かり易く書けるのは、それだ
けこの内容を熟知しているからこそ出来る技だと思います。

 詳しいことは知りませんが、瀬人戸内寂聴は、仏門に入るまでいろいろな経験をした人だ
と聞いています。ですから、瀬戸内寂聴が書いた「あの世 この世」「また逢いましょう」
「老いを照らす」等の書籍でも仏教がテーマでありその内容にも共感できます。

 般若心経の内容に戻りますが、個人的に思う般若心経のキーワードは「空」「無明」「智
慧」ではないかと思います。この中でも特に「空」の考え方は特に好きです。この「空」は
正に宇宙的な規模でありまた小さな人間の心でもあります。

 目に見えるものがあるとも言えるし、ないとも言えるのです。その根底にあるのが「空」
の考え方です。さらに心も「空」であり言葉を代えればとらわれることがいけないことだと
言っています。

 このとらわれは自らの「無明」から発生するのです。さらにこの「無明」から我々を悩ま
す煩悩が生まれるのです。人の心に存在する煩悩を無くせば苦しみ等はなくなるのです。以
前から「+と-」や「男と女」さらに「綺麗と汚い」のように相対極するものや、その考え
方の背景に真理があると考えていましたが、仏教の「空」もこれに非常に近い考え方だと思
います。

 ですから読んでいてどんどん般若心経の世界にのめり込んで行ってしまいます。しかしそ
の真理まで到達出来ないのが凡夫なのです。1300年の大峰修験道の歴史の中で1999
年に大峰千日峰行を満行し、2人目の偉業を成し遂げて「大阿闍梨」となった塩沼亮潤氏で
さえも、始めは煩悩に悩み現在に至ってようやく煩悩が消えたと言われています。

 それに比べれば、私のような凡夫が煩悩が消えずに悩むのは当然であると思います。しか
し昔に比べれば仏教に出会いそして般若心経に興味を持った時点から、自分が変わってきた
感じがします。その背景には心の持ち方があります。皆さんも機会があれば般若心経を読ん
でみてください。きっと何かを感じると思います。

■  宮沢明子をフィルハーモニックアンサンブル管弦楽団で聴いて♪♪

2008-05-03 18:16:48 | Weblog

 先月の下旬の話になってしまいますが、フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団による
第47回定期演奏会をミューザ川崎シンフォニーホールで聴いてきました。フィルハーモニ
ックアンサンブル管弦楽団を聴くのは勿論初めてでしたし、正直言ってその存在すら今まで
知りませんでした。

 このオケを聴くきっかけになったのは、演奏会の中で宮沢明子がモーツァルトのピアノ協
奏曲を弾くことが分かったからです。宮沢明子が弾かなければ聴きに行くことはなかったと
思います。

 宮沢明子は学生時代にとても憧れていたピアニストでした。とても個性が強く、言いたい
ことをはっきり言うタイプのピアニストでした。ですからどちらかといえば敵が多いピアニ
ストであると思います。

 しかしピアノから流れ出る音は他のピアニストのものとは確実に異なるものでした。当時
はリサイタルがあると演奏会場に出かけましたが、満席で聴くことができないこともありま
した。ですから聴くチャンスはレコードとFM放送でした。

 唯一生演奏を聴けたのは、東京文化会館の小ホールで行われたリクエストコンサートでし
た。客席からの要望で演奏リストに列挙されている曲を弾くスタイルのもので、当時は異端
的な演奏会だと思いました。

 その演奏会で流れてきた音は、当時の青春時代の中で迷っていた自分に勇気を与えてくれ
るようなものとして心に染み渡るものでした。その思いがいまも残っているので、コンサー
ト情報を見ていた時に宮沢明子の名前を見つけた時は、青春時代の思い出が一挙にあふれ出
したような感覚に陥りました。

 さて、当日の演奏会の感想ですがその日に宮沢明子が弾いたのはモーツァルトのピアノ協
奏曲第23番イ長調K.488です。モーツァルトの27曲のピアノ協奏曲のなかでも凄く
好きな曲です。その曲を青春時代に憧れていた宮沢明子が弾くのですからたまりません。

 当日の演奏ですが出だしからオケが走り過ぎる演奏で、指揮者はブレーキをかけるべきだ
と思いました。オケの大半が女性であったことも影響しているのかも知れませんが、全体に
言える事は、瞬発力が弱い印象を受けました。

 例を挙げれば、弦楽器の演奏ではボーイングが自信なさそうに小さく弾くのではなく、も
っと堂々と弾いて欲しかったと思いました。また、全体の音の受け渡しがスムーズでなかっ
たことから聴く側にはちぐはぐに聴こえて来ました。

 しかし宮沢明子のピアノが入りだすと宮沢がオケに対してブレーキをかけるようにコント
ロールしだしたので安心して聴けるようになりました。ピアノ演奏だけに限って言えば、第
2楽章の構成は素晴らしいものがありました。特に音の強弱やテンポであり、さらに最高だ
ったのは弱音の表現です。

 どんなに小さな音でも聴く人の心の奥底まで入り込み、感動を起こさせるものでした。オ
ケの方には申し訳ないですが、もっと実力のあるオケとの演奏を聴きたかったです。それだ
け素晴らしいピアノ演奏だったので非常に残念でした。

 モーツァルトを演奏後のアンコールは、バッハのシチリアーノでした。この曲の演奏も弱
音の部分が素晴らしくて思わず涙が出てきました。結果的にはアンコールのバッハだけを聴
いても価値があった宮沢明子の演奏でした。
 
 当日の演奏は、この他にワーグナーのワルキューレの騎行と、ブルックナーの交響曲第8
番ハ短調(ノバーク版)が演奏されました。宮沢明子のピアノだけで十分なのでこれらの内
容に関しては語りません。最後に指揮者はカルロス・シュピーラでした。