ひとりよがり。

日々のことや思い出などを書きます。
個人的な覚え書き、日記のようなブログです。

「カドヤ食堂のなぞなぞ」のこと。

2023-10-06 15:56:00 | 好きな本
私のとても好きなお話をご紹介します。

「カドヤ食堂のなぞなぞ」
                     富安陽子:作
                     宮本忠夫:絵


カドヤ食堂はおじさんがひとりで
切り盛りしています。
メニューは

1.ひやしコーヒー
2.ソフトクリーム
3.クリームコーヒー
そして
4.うな丼

以上の4種類だけなのです。

そして
4つ目のうな丼は
誰も見たことがない、
食べたことがないという謎で幻のメニューなのです。

ある日、男の人が
うな丼を注文したことがありますが、
カドヤのおじさんは
その男の人が縮み上がるほど
睨みつけて
その男の人は怖くなって
注文を変更せざるを得ませんでした。


ある日
ヒサシは
お母さんから
「帰りが遅くなるから
夜ご飯を一人で食べて」と連絡をもらいます。

それで
ヒサシは
カドヤ食堂の
「うな丼」を食べることにします。

「こってり油の乗ったアツアツの柔らかなうなぎを
甘いタレのかかったご飯と一緒にパクパク食べたら
どんなにすばらしいだろう」と
思ったのです。

ヒサシは
ドキドキワクワクして
ひとりでガトヤ食堂へ行き
勇気を出してうな丼を注文します。

そうしたら
カドヤのおじさんは
「なぞなぞが得意だったら
うな丼が食べられるかもしれない」と言い、

ヒサシをつれて
近くの田んぼへ
田うなぎを取りに行きます。

ところが
田んぼに着くと
麦わら帽子をかぶった
「番人」が出てきて
カドヤのおじさんとヒサシに
なぞなぞを出します。
なぞなぞが解けたならば
田うなぎを取っていいとのことなのです。

ヒサシは、見事に
二つのなぞなぞに答えました。

ヒサシが
二つ目のなぞなぞの答えを口にした瞬間、
番人の頭の麦わら帽子が
風でフワリと持ち上がりました。
その姿は
カエルのように見えたのです。
そして
番人は田んぼの稲の波間に消えてしまいました。

カドヤのおじさんは
田うなぎを取り、
うな丼を作りました。

そのうな丼の美味しかったこと!

ヒサシにとって
忘れられないうな丼になりました。

けれど
その翌日から
カドヤ食堂のメニューから
「うな丼」が の文字が消えました。

そして
しばらくすると
カドヤ食堂も壊されて
スーパーが建ちました。

カドヤ食堂が壊された時、
その地面には大きなイタチ穴があったそうです。



               





ハートの翼で。

2022-07-23 23:14:00 | 好きな本
先日
娘からラインが来て
もうすぐ1歳になる孫は
おっぱいを卒業したとのこと。
早いね〜と私。

娘は小学1年まで母乳を飲んでいました。

息子は彼が4歳の時、
「たまにはおっぱいでも飲んだらどう?」と私が言ったら
「もうけっこうです」と言って
あっさり卒業しました。


そして今日
ハートの翼の飛行機に乗り
娘家族の家へ。

6歳になった孫が
来てくれてとても嬉しい、と言ってくれ、
もうすぐ1歳の孫は
もうしっかり二足歩行で
おねえさんのおもちゃをいじっては
怒られていました。

孫ふたりは
ぐっすり眠り。

私は久しぶりに冨安陽子作の本を読みました。



アヤカシ。
妖怪変化のたぐい。
「物」の精霊のお話です。


「・・・・
 何か事情があって
 みんなどこかで、
 つながり合っている。
 
 事情がどうであれ、
 引っぱり合い、
 つながろうとする。
 
 人も、
 ものも、
 時間も・・・・。」

「アヤカシさん 」     冨安陽子:作
         野見山響子:画








取扱説明書のこと。

2021-12-06 12:02:00 | 好きな本
先日、
母から貸してもらった本。

「不機嫌のトリセツ」黒川伊保子著

自分の取説を
相手に伝えることが
できると
ずいぶんと生きやすいと思いました。

そして
人、
人に限らず、
生き物、
命のあるなしに関係なく
いろいろな物や道具などの
トリセツが
きちんとわかっていると
生きやすいのだということ。

「妻のトリセツ」
「夫のトリセツ」
「娘のトリセツ」
「息子のトリセツ」が出版されているとのことです。

とても良い本を貸してもらいました。

阿佐ヶ谷の街にて。

2021-11-08 22:15:00 | 好きな本
阿佐ヶ谷は
私にとって特別な場所です。
亡くなった祖母が暮らしていた街だからです。
母の実家になるので
小さい頃から
よく遊びに行き、泊りました。
虫に夢中だったいとこと
天祖神社もよく行きました。

北口のアーケードを抜けると
角に
香味屋さんがありました。
山形パンがとても美味しくて
ソフトクリームも売っていました。

北口に大きな道路が通り
香味屋さんがなくなって
阿佐ヶ谷の街は 
いつのまにか変わりました。

そんな阿佐ヶ谷の街の古本屋
ネオ書房にて
出会った漫画本。

秋山亜由子作
「虫けら様」青林工藝舎
うれしい出会いになりそうです。

そして
息子と私は
ネオ書房の外に置いてあったゲームで
遊びました。
I回10円、時間の制限がなくて
うれしかったけれと
3回挑戦したけれど
全部ハズレでした〜残念。








「キツネ山の夏休み」のこと。

2021-09-01 17:51:00 | 好きな本
「キツネ山の夏休み」
                            富安陽子
                            1994年

この本を
古本屋さんで見つけると
うれしくて
うれしくて
つい買ってしまい
今、うちには5冊あります。
そして
この物語が大好きで
この本を読むたびに泣きます。

この物語の中に出てくる
おばあちゃんが私の理想の
「おばあちゃん」

姿勢がよく
凛としていて
静かにあたたかく冷静。
人でも
妖怪でも
化け物でも
受け入れられる。
家の中をきれいに磨いて
丁寧に料理を作る。
そして
もしかしたら
キツネかもしれないおばあちゃん。

弥が過ごした稲荷山での夏休み。
ひとつひとつの出来事は
弥が大人になっても
忘れない思い出になる。


「榎稲荷の本殿の空に消えたトンボの羽のかがやきが、ふと弥の心の中によみがえりました。あの深々とした青い空、ざわめくこずえ、セミの声。弥は飛びさっていった夏をおいかけるように稲荷山の夜空を見あげ、もう一度大きく大きく林のにおいを胸いっぱいにすいこんだのでした。
弥のキツネ山の夏休みはおわりました。」


この本は
富安陽子さんの3冊目の本だと思います。
挿絵も富安陽子さんが描かれていて
とてもすてきな空気を感じる挿絵です。
こんなにも挿絵って効果があるんだなぁと思います。

私の大切な一冊です。