くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

機械仕掛けの青い鳥(106)

2019-07-15 20:09:59 | 「機械仕掛けの青い鳥」

 ブロロロロロォォォン――  

 と、重々しい排気音を轟かせた車が、ソラの乗った車の左側で停止した。
 ――ふと、ソラが横を向いた。いつの間に並んだのか、赤いスポーツカーが信号待ちをしていた。
 前に向き直ったソラは、「えっ」と小さく声を上げると、もう一度横を向いた。髪の長い女の人が、左ハンドルの運転席にいるのが見えた。
 サングラスをかけている女の人の横顔は、シェリルにそっくりだった。
「どこに行ってたの――」と、窓に顔を近づけたソラが、思わず女の人に向かって言った。
 シェリルにそっくりな女の人は、黙ってソラの方を見ると、怪しむことなく、ニッコリと笑みを浮かべた。
 急いで窓を開けたソラが、顔を外に突き出して大きな声で言った。
「ねぇ、シェリルさん、牧師さんはどうなったの――」
 と、信号が青に変わった。シェリルにそっくりな女の人は、ソラを見ながら短い言葉を口にすると、黙ってハンドルを持ち直し、前を向いて車を発進させた。
 シェリルにそっくりな女の人がなにを言っていたのか、残念ながら、ソラにはまるで聞き取れなかった。
「シェリルさん教えて、牧師さんはどうなったの――」
 ソラは「もう一度言って」と、言いかけたが、

 ブロロロロロォォォン――

 重々しい排気音を轟かせた車は、交差点を左折して、どこかに走り去って行ってしまった。
「ねえ、誰と話をしているの」と、老婦人が不思議そうにソラの顔を見ていた。
 青信号を待っていた車が、赤いスポーツカーに続いて、ゆっくりと走り出した。吹きつける風に目を細めたソラは、シェリルに似た女の人が、窓ガラスの向こうで、なんとなく「ごめんね」と、言っていたような気がしていた。

「シェリル、さん……」

 と、ウミがぼんやりとした目を開けながら、体を起こして言った。
「――うん。そっくりな人だった」と、窓ガラスを閉めたソラが、ウミを見て言った。「いいや、きっと本人に違いないよ」
 ソラは、交差点を右折した車の真っ直ぐ前を向き、遠くを見るように言った。
「あっ」と、体を起こして外を見たウミが、なにかに気がついて言った。
「どうしたの。まだ無理をして動いちゃだめよ」と、老婦人が心配そうに言った。
 ソラが、ウミの見た方に顔を向けると、道路に沿って伸びる歩道があった。大勢の人達が行き交っている中、すっかりしわしわになったシャツを着た男の人が、ちらりと見えた。人の波に見え隠れしてよくわからなかったが、後ろ姿がどこかニンジンにそっくりだった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よもよも

2019-07-15 06:45:19 | Weblog
やれやれ。

ひさびさの祝日。

とはいえ、

ドックに行ったばかりでブルーが続いてるから、

買い物に行ったけどスナック系は一切買わず

禁間食をしばらく天にまします神様に誓ったので、

朝からマーベル祭りで全作品一気見するつもりで

退屈しのぎ。。

どうしても食べたくなったら、

眠気覚ましのガムと、

レモンフレーバーの炭酸水で乗り切るつもり。

「うそだろ、今は勘弁してくれ」

このタイミングの、

ブルース・バナーのセリフが染みるわ・・・。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする