浅野ゆうじの独り言

社会・政治に関連する本の感想や日々の出来事についての私なりの考え方を書いています。

佐伯啓思「日本の宿命」を読んで

2013-03-28 07:25:05 | 日記・エッセイ・コラム
 いつも佐伯先生の本を読むと、普段から私自身が感じる価値観や思想を指導していただく思いがして、勇気づけられます。

 民意というもののとらえ方、経済優先主義の否定、オルテガの先進性への共感、進歩主義への批判、平和主義の偽善性、福沢諭吉のとらえ方など、まさに真の「保守思想」ではないかと考えるところです。それは、右とか左とかのイデオロギーの問題ではなく、私たち日本人自身の精神性を問い直す意味で、きわめて重要な指摘をされているのだと思うのです。

 残念ながらそうした精神性は現在の日本において多数派ではないというのが現実でしょう。また、戦後60年以上の流れの中において、大きく修正のかじをとることは難しいのではないかと感じてしまうのです。世界潮流の中の日本が、複雑に絡む関係性の中で、いかに日本の自立性を発揮することは多くの刺激を生むことになるでしょうし、捉え方のミスマッチによって、先の大戦の再現の懸念もあるということになってしまわないでしょうか。 つまり、日本人の精神性の回復と同時に、世界の一員としてのスタンスや関係性を明確にしていかなければならないということだと思うのです。

 こうした考え方がなかなか理解されない状況で、大切なことはこうした精神を我々は失ってはならないということであり、多くの直面する課題に対してそうした精神性で現実的解決を図らなければならないのです。私は、一地方議員ですが、先に述べた右とか左のイデオロギーではなく、判断の基本としてその精神を失わないように心がけようと思っています。

以上



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