高岡市の見どころは、「高岡城跡」の他にもいくつかある。
その一つが、日本三大仏に挙げられる「高岡大仏」である。
背中の丸い輪を「大円輪光背」と言うらしいが、午後の陽はちょうど逆光になり、背中の方から光が来ていい感じになっている。
この大仏様も、地元高岡の鋳物技術者の手により作られたことも知った。
大仏様のあと、古い建物が残る山町筋と金屋町の二か所の町並みを見て歩いた。
全て徒歩で歩いた。
いずれも「重要伝統的建造物群保存地区」に選ばれている。
まず、重厚な土蔵造りの家が並ぶ山町筋を歩く。
町並みに入るとすぐに「土蔵造りのまち資料館」があるので、見学しながら情報収集をする。
有難いことに、ボランティア・ガイドさんが、1,2階の隅々まで案内していただいた。
立派な土蔵造りの資料館(旧室崎家)の入口。
入ってみると、間口の割りに奥行きが長い大きな建物である。
ここが入り口わきの帳場。
古い大福帳がぶら下がっていた。
都会では見なくなった、畳敷きの大きな部屋がいくつも連なる。
通りをしばらく進むと「高岡御車山会館」。
御車山は「みくるまやま」と読むのだと、ガイドさんに教えていただいた。
年に一回引き回される山車が展示されている。
次に向かったのが鋳物の町「金屋町」。
歴史を遡れば、加賀藩二代藩主「前田利長」が鋳物師を招き、千保川を渡ったところに鋳物場を開設させたのが始まりと言われる。
鋳物は火を使う仕事のため、川の対岸にその仕事場が作られた(これもボランティアさんの説明)。
歩いてみると、千本格子の家が軒を連ねている。
「高岡市鋳物資料館」は、今回ぜひとも見学したかったところである。
鋳物製造の歴史、技術などが分かるような資料や製品、道具などが展示されている。
原形作り、砂の型作り、融けた鋳物を流し込む、取り出し、磨き、塗装など、何段階もの手を経て完成する。
すこ~し鋳物製品の作り方が分かったような気がする。
現代的住宅に押され、どんどん古い建物が廃れていき消滅していく。
一戸、二戸ではなく、町並みとして保存されていることの素晴らしさを再認識した。
これが、今回の富山旅行最後の記録になる。