ある緩和ケア病院と死神の話です。
テーマは未練。
地縛霊、成仏できずに地上に取り残されないように、犬に閉じ込められた死神が頑張る話です。
多くの人は自分が死ぬ時を考えたことはない。私もない。事故かもしれないし、病気で衰弱して、肺炎で、心不全、腎不全、色々ある。死ぬときは苦しくないようにと漠然とおもうのだが、、死ぬ間際は本人にしかわからない。
タンを無理やり吸引されて、しんどそうに見えても、タンが詰まっている方がしんどいかもしれない。傍目ではわからないし、なってみないとわからない。
血液の炎症反応のように、痛みやしんどさ指数というのが、計測できればどんなにいいだろうとおもうのはわたしだけか。
この小説にそんな話がでてくるわけではない。死神の犬の尽力で入院中の患者はみな未練を残さず心は安らかになっていく。
死を意識して生きる、安らかな気持ちで昇天できるように日々を過ごさなければと思った。
生まれた時に必ず起きるとわかっていることは死であるのだから、それを忘れる必要ないし、目を背けるものでもない、不浄のものでも、特別のことでもない。そうおもいました。
わたしは、犬のイメージは表紙の犬とはだいぶちがいました。
続編があるようなので読んでみます。