1月30日(水)
昨夜は、NHKプレミアムで井上ひさし原作、蜷川幸雄演出の
シアターコクーンでの『日の浦姫物語』をやっていました。
大竹しのぶ、藤原達也、辻萬長、木場勝己…。
TV欄を見ると、終わるのが2時半過ぎ、いつも余裕で起きている時間なのですが
ステージ物は、油断して居眠りしてしまうと…残念なので
録画して、早起きして…みました。
芸達者がそろっているし、みな台詞がききやすい…口跡が良いというのか、鍛えているというのか。
ギリシア悲劇が下敷きになっているみたい、
辻説法をする旅の僧侶と、その妹(実は、実質上の妻)が、狂言回しの役をこなし…(この、木場さんがすっごくいい)
無邪気に戯れる兄と妹(藤原&大竹)、
いつしか、一線を越え…罪の子が
庇護者である伯父の説得で、小船に乗せてその子を海に流すという辛い決断を下す幼い姫…
その子の運命を人智の及ばぬ神仏の手にゆだねる…と、しながら。
そして…ある浜辺の漁仕に拾われ、寺で育てられ…18才の逞しい若者にそだった魚名(藤原達也2役)…
実の両親を探すたびへ…
その頃、日の浦姫は、なき兄だけをただ一人の男と定め、女としての生き方を捨て、その地の長の役目を果たしていたが
隣国からの攻撃(日の浦と領土の両方を狙う、粗暴な男)に、悩まされていた。
そこへ、ご想像のとおり…旅の途中の魚名が現れ、窮地を救い…その地で家臣になって、姫の力となって
周りからの人望も厚く、いつしか、姫の伴侶となってほしいとの民の声が!!
ここで、大きな疑問が
初めて対面した時、魚名の顔を見たとき、はっとしてような姫の顔!
「母御は?」
「母の顔をしりません…」…ここで、確信したかと思ったら
違ってた??!! 自分と同じ高貴な出なのだろう…と、思ったこと…えっ
そして、魚名は姫の夫に!!!
おどろおどろの、連続なのですが、そこは井上さんの原作、ただの悲劇には収まりません!!
いつもの言葉遊び満載で
近親相姦などという、どろどろの場面も、コミカルに
大竹さんは可愛い女を演じきり…
魚名の子を宿してから、自分が赤子を小船に入れて、流す時いっしょに船に入れた、鏡と砂金袋そこに同封した
曰く因縁をかいた手紙…それを、夫の留守の間に侍女が、旦那様は他所に女がいるのでは
時々、手紙のようなものを眺めては、ため息をついているとの、言いつけ口から
読んでしまったのです
その時の姫がすごい!!
すぐに、魚名があの時の赤子とは、思わない…と、いうか思いたくない!!
あの子の友人かもしれない、あの子の乳母の子供かも…でも、母の顔を知らないといったし
あれやこれやの想像のあと…勝手が良すぎるといった一言がすごいと思った。
そこへ、魚名が5日ぶりに帰ってきて、いきなり姫を羽交い絞め!!
そこから、またまた…真実を認めざる得ない二人、まず母が
一目でわが子を見抜けなかった、この目が!!と、自分の両目を刀でつぶし
続いて息子も、あとを追うように、両目を刺し貫き…
二人は、ばらばらに…母は盲目ながら、施寮院で、病人の世話を
息子は、海の上の岩の上で、魚に命をつながれながら(?)、なんと月日は流れて、また18年後!
時の帝の夢で、魚の形をした岩の上の男を、大僧正に迎えよとのお告げがあって…
どんな病も心からの懺悔をし、その回復を望めば直るという、奇跡を起こす、名僧とその名は高まり…再会を!!
3時間半、あっという間で
内容を聞けば、ヒエ~と思うかもしれないけど
笑いどころも結構あって、
何と言っても、役者の技量と、その声のよさに魅了されましたね
そのあと、公園散歩に行きました。
現実の世界に、一気に引き戻されて…