おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

エイリアン2

2019-02-03 10:02:54 | 映画
エイリアン2 1986年 アメリカ


監督 ジェームズ・キャメロン
出演 シガーニー・ウィーヴァー マイケル・ビーン
   キャリー・ヘン ランス・ヘンリクセン
   ポール・ライザー ジャネット・ゴールドスタイン
   ビル・パクストン ウィリアム・ホープ
   アル・マシューズ マーク・ロルストン
   リッコ・ロス コレット・ヒラー
   ダニエル・カッシュ シンシア・スコット

ストーリー
エイリアンが宇宙貨物船ノストロモ号を襲った惨事から唯1人生き残った2等航海士リプリーは、57年後、催眠カプセルの中で眠りながら宇宙空間を漂っているところを発見され、ゲッタウェイ・ステイションに連れてこられた。
彼女は貨物船会社の上層部にエイリアンの話をするが、誰も信じようとはしない。
そればかりか、エイリアンの卵の巣である未踏の惑星LV426に宇宙技術者やその家族が住みついていると聞いて驚愕するのだった。
今はアチェロンと呼ばれているその惑星との連絡が途絶え、リプリーはその原因調査を依頼され、しぶしぶ宇宙海兵隊員と共に軍事用輸送船スラコ号に乗り込んだ。
乗り組員は貨物船会社のバーク、植民地海兵隊員ゴーマン中尉、一等曹長アポーネ、ヒックス伍長、女性伍長ディートリック、アンドロイドのビショップなどだった。
母船スラコ号から荒れ果てた惑星の表面へと向かうのは着陸船と装甲兵員輸送車。
植民地のビルを探検するうち、両親と兄をエイリアンに殺されたという7歳の少女ニュートを発見、救出した。
建物全体をくまなく探索するうち、ほぼ全体がエイリアンとその卵に占拠されているのを知り、愕然とする。
そして、前よりもはるかに凄絶な戦いが始り、勇猛な兵士も敵の多勢に押され、次々と倒れていった。
バークはエイリアン研究のため、リプリーとニュートにエイリアンを宿らせようと企む。
会社側のあまりの非人間性に怒るリプリーと兵士たち。
結局、リプリー、ニュート、ヒックス、ビショップのみが生き残り、リプリーが獅子奮迅の活躍を見せるのだが…。

寸評
リプリーが眠りについてから57年が経っていて、彼女は経緯から再びエイリアンが潜む惑星に向かって旅立つ。
今度は宇宙海兵隊と言う戦争のプロが同乗していて、これは前作と違って絶対エイリアンとの大バトルが繰り返されるなと予感させられる。
会社側の人間としてバークという男が登場するが、この男はハナから胡散臭そうで、やがて問題を起こしそうなことがありありである。
宇宙船が出発するとアンドロイドが一人混ざっていることが判明する。
前作においてリプリーはアンドロイドにひどい目にあわされているので、今回のアンドロイドも何か意味ありげで、実際物語の終盤において重要なファクターとなってくる。
前作の引継ぎとしてはバークと共に的を得たいい登場人物となっている。

惑星LV42に到着してみると、移住者がエイリアンと激戦を繰り広げた痕跡があるものの生存者はいない。
ところがたった一人、ニュートという少女だけが生き残っていた。
この少女を交えたエイリアンとの戦いが今回の見せ場となっている。
対するのは宇宙海兵隊なのだが、この部隊を率いているのが頼りない中尉だとして物語に変化をつけている。
隊員にも臆病者とバカにされているような所があって、母船から指揮していた中尉が現場にやってくるので安全になったのだという会話が部下の隊員によってなされている。
危機に際しては部下に的確な指示が出せないし、途中で気絶したりして全くダメな中尉なのだが、海兵隊をバカには出来ないので、最後には少しだけいいところを与えている。

エイリアンとの戦いは、それがメインだけにいろんな要素を盛り込んで迫力十分に描かれる。
銃器はもちろん火炎放射器などを駆使しエイリアンと闘う場面では銃弾が飛び交う。
卵から孵ったばかりのエイリアン、成長したエイリアン、人間の体内に寄生しているエイリアンなど、前作で登場したキャラクターが次々襲ってくる。

戦闘シーンは場所が惑星で繰り広げられているだけで、地球侵略のエイリアン作品とあまり違いはない。
宇宙海兵隊の隊員は一人、また一人とエイリアンの餌食となっていくが、今度は少女がいるだけにリプリーが一人生き残ると言うことはない。
それは最初からの約束事の様なもので、ここでそれを明かしてもネタバレとはならないと思う。
ニュートが生きていることも、リプリーがニュートを救出に向かうことも、最後には二人が助かることもすべて約束事なのだが、ジェームス・キャメロンはそんなことを考える暇を与えず、次から次へと迫力シーンを演出し続ける。
そしてほっとした時に最後の一手を出してくる演出も心得たものであった。

前作に比べれば、作品自体は単純化されていて深いものはないが、シンプルな構成だけにドンパチム―ビーを十分すぎるぐらい堪能出来る。
これは宇宙に題材をとった戦争アクション映画だ。