「大阪物語」 1999年 日本

監督 市川準
出演 池脇千鶴 南野公助 沢田研二
田中裕子 ミヤコ蝶々 剣太郎セガール
ストーリー
私の名前は霜月若菜(池脇)、14歳。
お父ちゃん(沢田)とお母ちゃん(田中)は、夫婦漫才”はる美&りゅう介”を20年も続けている売れない芸人。
平凡で幸せな毎日と思っていた秋のある日、お父ちゃんの愛人に子供ができて離婚することになった。
別れた夫婦漫才は話題になって人気がでるらしいが”はる美&りゅう介”は例外だった。
そして夏、お父ちゃんが突然いなくなった。
夏休み、お父ちゃんを探すために私は家を出た・・・。
寸評
市川監督作品として「東京夜曲」と同様に、少し切ないけれど生きる喜びや力を感じさせる作品だ。
大阪を舞台にしている分、大阪人の僕はこちらの方が映画の中にのめり込めた。
若菜には一郎という弟がいる。
二人合せてワカナと一郎で、昔大阪にいた高名な漫才師になる。
浮気相手が法善寺で待っているという事で、会いに行く田中裕子が「法善寺?水でもかけて欲しいんか!」と叫んだりする大阪ギャグも所々あってくすぐられる。
ミヤコ蝶々さんをはじめ、関西の味のある芸人さんが登場して雰囲気を盛り上げている。
少しの登場シーンであの明るい雰囲気を出すのはさすがで、芸人さんの実力のなせる業か、それとも市川監督の力量か?
父親は女遊びの他に博打にも手を出し、「遊びは芸の肥やしや」とマネージャーに言い訳すると、「それほどの芸ですか」とたしなめられて力無く笑うグウタラ男を沢田研ニがだるく熱演(?)している。
実生活でも夫婦である田中裕子との息もピッタリで思わず笑ってしまう。
父親は住んでいた家から4件隣の家に、お腹の大きな新妻と所帯を持って、ふたつの家を行き来するようになる。
別れた奥さんと心地よさそうに台本の打ち合わせをする姿を新妻に見つめられ、思わず窓を閉めるシーなどはゾクッとして、ニンマリして・・・、大好きなシーンの一つとなっている。
蝶々・雄二、唄子・啓介、敏江・玲児などの息の良さが思い出される。
彼らもまた精神的にはそんな関係だったのだろうか・・・?
けなげにたくましく生きて行く少女の物語になってしまいそうな所を、巧みな演出で奥深い作品に仕上げていて、亡くなられた相米監督の「お引越し」などと同様に日本映画らしさを感じさせる好きな一本となっている。

監督 市川準
出演 池脇千鶴 南野公助 沢田研二
田中裕子 ミヤコ蝶々 剣太郎セガール
ストーリー
私の名前は霜月若菜(池脇)、14歳。
お父ちゃん(沢田)とお母ちゃん(田中)は、夫婦漫才”はる美&りゅう介”を20年も続けている売れない芸人。
平凡で幸せな毎日と思っていた秋のある日、お父ちゃんの愛人に子供ができて離婚することになった。
別れた夫婦漫才は話題になって人気がでるらしいが”はる美&りゅう介”は例外だった。
そして夏、お父ちゃんが突然いなくなった。
夏休み、お父ちゃんを探すために私は家を出た・・・。
寸評
市川監督作品として「東京夜曲」と同様に、少し切ないけれど生きる喜びや力を感じさせる作品だ。
大阪を舞台にしている分、大阪人の僕はこちらの方が映画の中にのめり込めた。
若菜には一郎という弟がいる。
二人合せてワカナと一郎で、昔大阪にいた高名な漫才師になる。
浮気相手が法善寺で待っているという事で、会いに行く田中裕子が「法善寺?水でもかけて欲しいんか!」と叫んだりする大阪ギャグも所々あってくすぐられる。
ミヤコ蝶々さんをはじめ、関西の味のある芸人さんが登場して雰囲気を盛り上げている。
少しの登場シーンであの明るい雰囲気を出すのはさすがで、芸人さんの実力のなせる業か、それとも市川監督の力量か?
父親は女遊びの他に博打にも手を出し、「遊びは芸の肥やしや」とマネージャーに言い訳すると、「それほどの芸ですか」とたしなめられて力無く笑うグウタラ男を沢田研ニがだるく熱演(?)している。
実生活でも夫婦である田中裕子との息もピッタリで思わず笑ってしまう。
父親は住んでいた家から4件隣の家に、お腹の大きな新妻と所帯を持って、ふたつの家を行き来するようになる。
別れた奥さんと心地よさそうに台本の打ち合わせをする姿を新妻に見つめられ、思わず窓を閉めるシーなどはゾクッとして、ニンマリして・・・、大好きなシーンの一つとなっている。
蝶々・雄二、唄子・啓介、敏江・玲児などの息の良さが思い出される。
彼らもまた精神的にはそんな関係だったのだろうか・・・?
けなげにたくましく生きて行く少女の物語になってしまいそうな所を、巧みな演出で奥深い作品に仕上げていて、亡くなられた相米監督の「お引越し」などと同様に日本映画らしさを感じさせる好きな一本となっている。