24.
わたしが嵐を見やると、沈黙が支配していた。そして、人類は粘土に戻ってしまっていた。
草地は、粘土の屋根のようになっていた。
わたしが窓を開けると、光がわたしの頬に落ちてきた。
わたしはひざまずき、座って泣いた。涙が頬をとめどなく落ちた。
わたしが四方世界を、また海の果てを眺めると、12ベールのかなたに領地が立ち現れた。
方舟はニムシュの山に漂着した。
その山ニムシュは方舟を掴んで、動かさなかった。
1日、2日と、ニムシュの山は方舟を掴んで、動かさなかった。
3日、4日と、ニムシュの山は方舟を掴んで、動かさなかった。
5日、6日と、ニムシュの山は方舟を掴んで、動かさなかった。
7日目になって、わたしは鳩を放った。
鳩は飛んでいったが、舞い戻ってきた。休み場所が見あたらずに、引き返してきたのだった。
わたしは燕を連れ出し、放った。
燕は飛んでいったが、舞い戻ってきた。休み場所が見あたらずに、引き返してきたのだった。
わたしは烏を連れ出し、放った。
烏は飛んでゆき、水が退いたのを見て、ついばみ、身繕いをし、尾羽を高く掲げて、引き返しては来なかった。
わたしは鳥たちを四方の風の中に出て行かせ、供犠を捧げた。
山の頂を前にしてスルキンヌ(麦などの供物)を供えた。
七つまた七つと、薫香用の器を立て、それらの皿に香り葦、香柏、ミルトス(和名ギンバイカ)をちりばめた。
神々はその香りをかいだ。神々はその芳しい香りをかいだ。
神々は、五月蠅のように、供犠の主のところに集まってきた。
マハ(マハ:女神ベーレト・イリー、神々の女君、イシュタル)は到着するやいなやすぐに、アヌがその飾りに造ったしめ縄を掲げた。