ジーン・ウールの不思議な旅

ジーン・ウールは不思議な女性です。姿を変えて過去にも未来にも現れます。
もしかしたら貴方の友人や奥様かも知れません。

店主ご挨拶

ようこそお越し下さいました。 昨年(2010)、3ヶ月の雲水修行に行ってまいりました。 私は働き者で(自己申告)、精舎は朝は早く夜は遅く「朝瞑想」の時間は、気がつくといつも寝ておりましたが・・。 私の人生の1ページに、思いがけないご褒美を頂けたような日々を過ごさせて頂きました。・・ま、主婦でも決心ひとつで如何様な道も開けるんですね。 今も精舎に行くと「実家に帰った」ような気がします。 このブログ管理人は、最近物忘れ症候群中につき、おいで頂いた感謝を申し上げ、コメントを頂いても書いたり書かなかったり、付き合いが悪いことのご無礼をお許し下さいませ。

ウトナピシュティム 32

2006-09-12 08:11:10 | ウトナピシュティム
32.
ギルガメシュは語った。
「舟師ウルシャナビよ、わが言葉を退けないで欲しい。
何のために、わが腕は疲れ切ったのか。何のために、わが心臓の血は失せ去るのか。わたしは自分のために、よきことを企てたのではなかったか。大地のライオン(蛇のこと)にも、わたしはよきことを行ったのに、いまや20ベールも流れはかの草を運んでしまう。

いつのことだったのだろう。深淵の溝を開けたことがあった。深淵の溝を開けたとき、わたしは道具(プックとメック)を落としてしまったのだ。あの時はエンキドゥが、わたしの代わりに道具を探しに行ってくれた。わたしが戻るべきであったのか。そして舟を岸辺に置いておくべきだったのか」泡のように浮かびくる記憶は定かではなかった。

「老いたるものが若返る草は、求めるとなお遠ざかり、人間の名前は葦原の葦のようにへし折られる。美しい若者も美しい娘も等しく死にへし折られるのだ。誰も死を見ることは出来ない。誰も死の声を聞くことは出来ない。死は怒りのなかで人間をへし折るのだ。
いつかはわれわれは家を建て、巣造りをする。いつかは兄弟たちがそれを分配してしまう。いつかは憎しみが生じ、いつかは川が氾濫し、洪水をもたらす。蜻蛉たちも川に流される。顔は太陽を見つめて生きようとしても、すぐさま何もかも失せてしまう。眠る者と死ぬ者は等しい。人々は死の姿を心に描けない。」ウトナピシュティムの語った言葉がギルガメシュの心に甦った。