33.
20ベール行って、彼らはパンを割いた。
30ベール行って、夕べの休息をとった。
彼らは囲いの町ウルクの町中にたどり着いた。
ギルガメシュは、ウルシャナビに語った。
「ウルシャナビよ、ウルクの城壁に上り、往き来してみよ。
礎石をしらべ、煉瓦を吟味してみよ。その煉瓦が焼成煉瓦でないかどうか。その基礎は七賢者が据えたのではなかったかどうか。
ウルクの町は1シャル、果樹園は1シャル、粘土をとる低地が1シャル、それにイシュタル神殿の未耕作地。
すなわち、ウルクは3シャルとさらに未耕作地からなっている」
ギルガメシュは指さす。彼が遠く旅した、遙かな地の果てを指さす。
「ウルシャナビよ、麦を作ろう。わたしが旅した国々で、新しい麦を見た。1つの穂に多くの実をつける麦を見た。あの麦をウルクでも作ろう。
わたしが旅した国々で、珍しいものや美しいものを見た。
スーサでラピスラズリや紅玉髄を見た。アナトリヤでは、金や銀、レバノン杉、トルコ石、それから銅だ。わたしは再び、訪れた地へ交易のため訪ねよう。偉大なるわが父シャマシュのために、このウルクに輝ける神殿を建設するのだ」
ギルガメシュとウルシャナビは、城壁の上で遠く地平を眺めた。
この地平の、また遙か先の地平へと、ギルガメシュの思いは馳せた
「わたしは再び旅をしよう。シャマシュの道は、遙かな地平のまたその先まで続くのだ。この地の果てるところまで、わたしは旅をしよう。この先に何があるのか知りたいのだ。」
ギルガメシュは、長い旅をして得た知識でもって、多くの国々と交易をした。そして偉大なるシャマシュのために、素晴らしいジグラッドを建設した。それは、この世に二つとない程の素晴らしさだった。