ジーン・ウールの不思議な旅

ジーン・ウールは不思議な女性です。姿を変えて過去にも未来にも現れます。
もしかしたら貴方の友人や奥様かも知れません。

店主ご挨拶

ようこそお越し下さいました。 昨年(2010)、3ヶ月の雲水修行に行ってまいりました。 私は働き者で(自己申告)、精舎は朝は早く夜は遅く「朝瞑想」の時間は、気がつくといつも寝ておりましたが・・。 私の人生の1ページに、思いがけないご褒美を頂けたような日々を過ごさせて頂きました。・・ま、主婦でも決心ひとつで如何様な道も開けるんですね。 今も精舎に行くと「実家に帰った」ような気がします。 このブログ管理人は、最近物忘れ症候群中につき、おいで頂いた感謝を申し上げ、コメントを頂いても書いたり書かなかったり、付き合いが悪いことのご無礼をお許し下さいませ。

ウトナピシュティム 30

2006-09-10 05:46:30 | ウトナピシュティム
30.
ギルガメシュはこれを聞いて、喜んだ。
ギルガメシュは深淵に通ずる溝を開け、重い石を足に縛り付けた。
その石が彼を深淵に引き込んだ。

ギルガメシュは、いつ終わるとも知れない深い深淵を沈んでいった。
深淵は下るほどに一層闇が深くなった。ギルガメシュの傍らを何かが通り過ぎる。怪物の息づかいが聞こえる。

「おまえは何者だ。」
ギルガメシュは答えない。
「おまえは何者だ。答えなければ生きては帰さん。」
ギルガメシュは答えない。
「返答なくば、力づくでここに留めおこう」
ギルガメシュは強い力に捕らえられた。強い力に締め上げられた。
しかしギルガメシュの3分の2は神々の身体だ。深淵の怪物は引き下がらざるを得なかった。

再び別の力がギルガメシュを襲った。
「おまえは何者だ。」
ギルガメシュは、またも答えない。
「おまえは何者だ。答えなければ生きては帰さん。」
ギルガメシュはまたも答えない。
「返答なくば、やむをえんな。」
ギルガメシュを捕らえた力は、前以上に強い力だったが、深淵の怪物は引き下がらざるを得なかった。

こうしてギルガメシュは深淵の底にたどり着いた。
漆黒の闇の中にあって1カ所光るものがあった。
闇を照らす蝋燭にも似て、それはそれ自身が光を放っていた。