28.
ウトナピシュティムは、舟師ウルシャナビに言う。
「ウルシャナビよ。舟着き場がお前を軽んじ、出入り口がお前を嫌うように。
その岸辺を往き来する者よ。その岸辺から離れていけ」
「お前が先導した者の身体には、汚れた髪が巻き付いてしまった。皮膚がその美しい肉体を損なってしまった。ウルシャナビよ、彼を案内し、水場に連れて行け。水でその汚れた髪を雪のように清く洗わせよ。その皮膚を脱ぎ捨て、大洋がそれを持ち去るように。彼の良き肉体が潤うように。彼の頭巾が新調されるように。彼が衣装を、彼の活力の衣を、身に纏うように。彼が自分の町に行けるまで、彼の道に達するまで、その衣装は汚れず、真新しくあるように」
ウトナピシュティムは、ウルシャナビに舟師としての任を解いたのだ。
(淡々と書かれているが、この出来事を心に留めておこう)
ウルシャナビは彼、ギルガメシュを案内し、水場に連れて行った。
ギルガメシュは、水場でその汚れた髪を雪のように清く洗った。ギルガメシュがその皮膚を脱ぎ捨てると、海がそれを持ち去った。
彼の良き肉体は潤った。彼は自分の頭巾を新調した。彼は衣装を、彼の活力の衣を身に纏った。
そしてギルガメシュが自分の町に行けるまで、彼の道に達するまで、その衣装は汚れず、真新しくあり得たのだった。
ギルガメシュとウルシャナビは舟に乗った。彼らはマギル舟を出航させ、ウルクへの航海に出ようとしていた。