3.
再び最高評議会が開かれた。
荒ぶる神エンリルを冥界に押し込めておきたいエンキ側は、エンキ「40」、エンキの妻ニンキ「35」、ウトウ(シャマシュ)「20」、シャマシュの妻アヤ「15」、天界の父アヌ「60」はエンキ側だろう。エンリルの傍流の息子アダト「10」もこちら側に入れておこう。すると合計「180」になる。
一方、エンリル「50」、エンリルの妻ニンリル「45」、生まれたばかりの息子ナンナル「30」、ニンリルの健気さが愛おしいアヌの妻アントゥムは「55」・・これで同じく「180」になる。
残ったのは、アヌの未婚の末娘ニンハルサグ「15」と、エンリルの孫娘イシュタル「5」だ。
イシュタルは冥界から還ることが出来た。その時は、エンリルも含めて天界の神々がエレシュキガルに掛け合ってくれた。だからイシュタルはエンリルとニンリル、ナンナルが冥界から還ることが出来るように骨を折っただろう。
ニンハルサグはイシュタルからの何らかの申し出を受け入れ、イシュタルの昇格を認めたに違いない。そしてイシュタルはエンリルに「15」を与え、ニンハルサグは父アヌ側に「5」を与えた。その結果エンリルは「195」を取得し、エンキ側「185」との得点差「10」で、エンリルは天界に戻ることが出来た。
そして、エンリルを父にニンリルを母にもつメスラムタエア神、ニンアズ神、そして文書が欠損していて、名前が不明の三柱の神が冥界に残った。(メスラムタエア神は、エレシュキガルの夫「ネルガル」と習合され同一視される)