CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

22-285「殺しを呼ぶ卵」(イタリア・フランス)

2022年12月25日 22時01分43秒 | イタリア映画
私たちは異常なことを分かち合わなければならない
 ローマ郊外にある巨大養鶏場。社長マルコは業界の名士として名を知られていたが、経営の実権と財産は妻アンナに握られている。マルコは同居しているアンナの10代の姪ガブリと愛人関係にあり、妻への憎しみを女性へのサディズムで発散していた。
 やがて3人それぞれの隠された欲望が暴かれ、事態は予測不可能な方向へと転がっていく。(「作品資料」より)


 1968年製作、同年日本でも公開された作品。

 今回リバイバルでの劇場公開であるが、初公開時は約90分の長さで、それは〝国際版〟ということで、今回は105分の〝最長版〟が公開。

 冒頭、モーテルの一室で、一人の男が女性を惨殺するシーンが映し出される。

 その男は、巨大養鶏場を営むマルコ。

 実質、経営権を握っているのは妻のアンナのようで、マルコは鬱屈した日々を送っている。

 同居しているアンナの姪、ガブリとマルコは愛人関係にあるようで、マルコは現在の生活から逃げ出そうと考えている。

 そんな時、マルコの前に広告マンの男が現れるが、その男はガブリと通じているような雰囲気を見せる。

 マルコが営む養鶏場は、オートメーション化された近代的なものだが、数千羽はいそうな鶏の様子が、どことなく心にざわつきを感じさせる。

 加えて、女性への惨殺シーン、そして鶏の毛をむしって作業するシーンなど、不穏で残酷性のある画が映し出される。

 最たるものは、科学者の研究によって偶然生み出された畸形の鶏の姿であったな。

 ある意味、ホラーであった。

 音楽もどこか不協和音のように鳴り響き、不快感を募らせようとするものだった。

 ちょっと可哀そうなのは、マルコの愛犬ブラックが辿った運命。

 それが、クライマックスの展開へと繋がっていくのだが。

 マルコ、アンナ、ガブリの3人それぞれが心に秘めた欲望があり、それが最後に露わになろうとした時、皮肉な結末へと繋がっていく。

 物語の展開からすると、サスペンスということになるのかな。

 ある種、グロテスクとも言える描写もある作品であった。

/5

監督:ジュリオ・クエスティ
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、ジーナ・ロロブリジーダ、エヴァ・オーリン、ジャン・ソビエスキー、レナート・ロマーノ
於:新宿シネマカリテ

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