人生50年、ことを成すには短すぎる
金ヶ崎の戦いにより敗走中の信長が今川軍の残党に捕まってしまう。
ところが捕らえられた信長は3人もいた。しかも3人とも本物を守ろうと、我こそは本物の信長だと猛アピールする始末。
万が一影武者の首を討ち取るようなことがあれば、今川家はいい笑いものになってしまうと、一味を束ねる蒲原氏徳は、本物の信長を見定めようと、あの手この手で3人に迫っていくのだったが。(「a . . . 本文を読む
人と違うのは人より優れているということ
スウェーデンの税関で働くティーナには、違法な物を持ち込む人間を嗅ぎ分ける特殊な才能があり、入国審査で欠かせない貴重な人材として活躍していた。しかし、あまりにも醜い容貌をしていたため、同棲相手はいるものの、誰とも心通わせず、孤独な人生を送っていた。
そんなある日、ティーナは自分と同じような容貌の旅行者ヴォーレと出会う。
本能的な何かを感じ、やがて彼に自宅 . . . 本文を読む
私は退屈な人間、ママのサンドイッチと同じ
ハンガリーの首都ブダペスト。殺人課の刑事エーヴァは、優秀な同僚刑事だった夫を自殺で亡くした。それ以来パニック症候群に悩まされ、死体を見ることができなくなった彼女は閑職に追いやられていた。
そんな中、不可解な死亡事故が相次いで発生。鑑識の結果事件性はないとみなされたが、疑問を抱いたエーヴァは赴任してきたペーテルの力を借り独自捜査に乗り出す。
現場に残さ . . . 本文を読む
途中でズームアップしているんだ
警察官として将来を嘱望されながら、自ら事故を起こして同乗していた弟を亡くし、自身も視力を失い、警察官の道を絶たれた浜中なつめ。3年たった今も、深い心の傷を抱え、立ち直れずにいた。
そんなある夜、なつめは車の接触事故に遭遇し、慌てて立ち去る車の中から助けを求める少女の声を耳にする。そのことを警察に伝えるも、真剣に聞き入れてはもらえなかった。
それでも誘拐事件を確 . . . 本文を読む
時々、死という終局に羨望する
1892年、アメリカ・ニューメキシコ州。かつてのインディアン戦争の英雄で退役間近のジョー・ブロッカー大尉は、収監されていたシャイアン族の長イエロー・ホークとその家族を、インディアン居留地となった彼らの故郷モンタナ州に護送するよう命じられる。
戦争で多くの仲間を殺されたジョーは、インディアンへの憎悪を剥き出しにしてこれを拒否する。しかし軍法会議になれば年金がもらえな . . . 本文を読む
私はこの東京という国の大統領
2030年。オリンピック開催後の東京は、たくさんの問題を抱えていた。国政では選挙制度改革の問題や政治家たちの汚職や犯罪が多発し、地方分権推進が叫ばれている。また、情報化社会により物や情報がリアルタイムで輸入され、国民の考え方やライフスタイル、価値観の変化とともに激動の時代に突入していた。
そんな東京で手腕を振るっていた人気抜群の女性都知事・東條真知子の公約に、首都 . . . 本文を読む