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DAZN観戦 2024年J1リーグ第12節 ヴィッセル神戸vsアルビレックス新潟

2024-05-08 18:31:32 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 神戸はマテウス・トゥーレルが累積警告で、新潟は早川が前節退場により出場停止。
  • 神戸はDAZNの予想フォーメーションでは、鍬先アンカー・佐々木と井手口がインサイドハーフの4-1-2-3。しかし攻撃時でも鍬先と井手口が横並びの4-4-2に見える。(守備時の4-4-2はデフォ)

現地で観戦して以来の、直に見る新潟のサッカー。
しかしそれは苦虫を噛み潰すようなものとなり……と、私事を述べるのは相応しくないので止めておきます。

ポゼッションスタイルのチームにとって、高い壁として立ちはだかる存在が前年王者の神戸。
彼らが繰り広げるプレッシャーを物ともしない程のサッカーを展開出来れば……という理想を脳裏に浮かべた所で、そんなチームは果たして日本国内に存在し得るのか。
戦前から、そんな事を考えさせられるこのカード。

中2日の試合故に神戸が9人入れ替えと、ターンオーバー率が8割越えのメンバーで臨んだのに対し、新潟は3人のみに留まり。(うち1人が早川の出場停止という要素)
新井がシーズン途中に移籍し、堀米やトーマス・デンに負傷の疑いありと、目に見えてディフェンスラインが厳しく映る陣容では満足なターンオーバーも出来ず。
かくして前半は、そんなフィットネスの面での影響を露骨に感じさせる両軍の出来となりました。

前半3分、新潟のボール保持に対し、中央での縦パスを鍬先がカットして敵陣から攻撃開始となる神戸。
そして佐々木が左ワイドへと流れそのまま奥へと切り込み、ボールキープする様に対し必死に付いていったのがボランチの秋山。
しかし最後は腕でのチャージにより倒してしまい反則と、新潟の攻めの流れの悪さと、対応の重さを痛感する絵図となり。

それを引き摺るように、5分藤原がプレッシャーを受けて何とかスペースに出したボールを、拾おうとした高木へアクシデントが襲い。
突然倒れ込んでしまうと、やはり筋肉系トラブルらしく続行不可能に。
超早期での交代を強いられる事となりました。(鈴木が投入され、小野との2トップにシフト)

2センターバック+アンカーでの繋ぎはほぼ不可能という思惑から、ボックス型でのビルドアップを試みる新潟。
しかし2トップがしっかりボランチへのパスコースを切り、かつ島田に対しプレッシャーを掛ける井手口の存在で、その体制も早々に崩されます。
そして神戸の攻撃を浴び続ける展開となり、13分には井手口の右サイドからのクロスを大外でパトリッキが落とし、すかさず放たれた初瀬がシュートを島田のブロックで何とか防ぎ。

その神戸のビルドアップは、新潟程の細かな繋ぎはしないものの、しっかりと距離感を広く取ってのパスにより展開され。
疲労感が伺える新潟はそれに対しプレッシングもままならず、「神戸の方がしっかりとポゼッションしているのでは?」と錯覚を受ける事もあり。
主たる最終ラインの形は、菊池が前に出ての右肩上がり。
センターバックタイプの菊池の方が上がるそのシステムに若干の違和感を覚えながらも、殆ど破綻無くペースを掴んでいきます。

そして15分、先制点に辿り着く神戸。
岩波のフィードによるセカンドボールを拾ってからの攻め(井手口が前に出て合わせにいく事で、拾い易い体勢を作ったのも見逃せない)で、パトリッキの左からのクロスは流れるも、右奥で飯野が拾って逆から再度クロス。
星のブロックに当たるもそのまま中央へと入り、逆にこれにより新潟のマークの方がズレてしまったか、佐々木が走り込んでドンピシャでヘディングシュートが放たれ。
細かな相手を纏めて吹き飛ばすような、力強さを感じさせるゴールでリードを奪います。

反撃したい新潟ですが、そのビルドアップの流れは一向に上向かず。
パスミスが頻発し、攻撃機会を全く得られずにひたすら受けを強いられる流れが続き。

そんな縮こまったような相手に対し手を緩めない神戸、次なる手段は初瀬のロングスロー。
24分に、左から初瀬が投げ入れたボールをニアで菊池がフリック、ファーへ浮いた所に岩波が合わせにいくという理想的な流れに持ち込み。
GK小島が弾いた所を、飯野がダイレクトでシュートと完璧なフィニッシュを放ちます。
これをゴール寸前で星がブロックして防いだ新潟ですが、尚も右コーナーキックで継続する神戸。
キッカー初瀬のクロスが中央へ落ちる所に、菊池が身体を投げうってのヘッドで落とし。
これでカオスが生まれた所を、宮代が流し込んでゴールゲット。
追加点もやはりパワー溢れるプレーからで、リードを広げました。

その後も同様の流れは続き、反撃すらままならない新潟。
止むを得ず、ボランチ1人が降りての3枚の最終ラインの形を取り始め。
加えて小野が降りてビルドアップの形を作る事で、何とかプレス回避だけは果たされるもののそれ以上の成果は出ず。

神戸も2点リードで落ち着いた感があったものの、40分台を迎えると再びギアアップ。
40分には自身での最終ラインからの繋ぎで、山川斜めの縦パス→パトリッキ浮かせるポストプレイ→佐々木胸で落とし→宮代→パトリッキドリブルと流れるような運び。
そして左ポケットを突いたパトリッキがシュート(GK小島セーブ)と完遂される攻撃。
続く41分にはまたも新潟のパスミスから、佐々木のスルーパスを受けた飯野が右ポケット奥を突いてのクロス。
これがブロックに当たりゴールに向かい、右ポストを叩く際どいボールとなり。

パワーが強調される神戸の攻撃ですが、要所要所で主体的な攻めの形も取ったり、一旦戻して作り直すシーンも見られ。
ボール保持の形をある程度取り入れるという、あくまで「4局面」の全てを効果的に使いバランスを取る、強者の振る舞いを終始貫きます。

アディショナルタイム、ようやく新潟は最終ラインからボールを運び、舞行龍の縦パスを使いながら迎えた好機。
ここでも左サイド手前から舞行龍のクロスと、奥へ切り込むまでには至らずでしたが、中央で鈴木が収めた事でシュートチャンス。
こぼれ球を星が繋ぎ、シュートしたのは長谷川元でしたが枠を捉えられず。
結局これが前半唯一のフィニッシュシーンとなり。

2-0のまま前半を終えましたが、既にアクシデントでカードを使っていた新潟、ハーフタイムでの交代も見送る事に。

まずは流れを変えたい新潟、キックオフからの攻撃で、左サイドを長谷川元が運ぶ状況を作り。
これは遮断されるも、拾った秋山から逆サイドへ展開し、藤原のミドルパスに走り込んだ太田がクロスに持ち込み。(繋がらず)
ショートパス以外の要素を取り入れて一つ形を作ると、続く後半2分に左サイド奥を取った小野が相手に当ててCKをゲット。
これがこの日初のセットプレーと、今までどれだけ押し込まれていたのかと痛感させる事象ながら、ショートコーナーを経て上がった長谷川元のクロス。
ファーサイドで遠藤が落とし、舞行龍に当たったこぼれ球を尚も繋いでシュートチャンスを作りましたが、舞行龍の時点でオフサイドを取られ終了となります。

その後神戸の反撃に遭うも、迎えた6分、ここも舞行龍のロングパスを中央で鈴木が収めての起点と手札を変えて攻め。
そして左へと流れてスルーパス、奥で受けた長谷川元がカットインでポケットを突くと、グラウンダーのクロスが中央へと流れ。
これに走り込んで来たのが藤原で、大外から合わせるという形で放たれたシュートがゴールネットを揺らします。
HTを挟んで変わった流れをモノにし、1点差に詰め寄った新潟。

しかし神戸は落ち着きを取り戻し、10分再び最終ラインからの攻めで、中央から山川縦パス→佐々木スルーパス→飯野と突然ギアチェンジしての運び。
飯野の前進は防がれるも、続く右スローインから右奥を取った菊池がカットイン。
そしてポケットから入れられたクロス、ブロックを掠めて中央に入った所、遠藤がクリアしたボールがあろう事か逆方向に。
ゴールに吸い込まれ、無理に利き足(右)で処理しようとしたというオウンゴールとなってしまい、折角の得点がフイとなり。
再び2点差でのスタートを強いられます。

その後、何とかGKからの繋ぎで組み立てんとする新潟。
13分にプレス回避から舞行龍右へミドルパス→太田から中央へ展開ののち秋山左へミドルパスと、幅を使っての組み立てで前進。
そして受けた小野がカットインを経てハーフレーンからミドルシュート。(ゴール左へ外れ)
ゴールを脅かしたのも束の間、続く14分にもGKからの組み立てを取るも、あろう事かエリア内で佐々木にカットされるという失態を招き。
舞行龍が反則気味のディフェンスで辛うじて防ぐも、神戸の強度を前にした厳しい戦いは前半と変わり無く。

そして神戸ベンチの方が先に動き、15分に3枚替え。
酒井・武藤・大迫と本来のレギュラー陣を一挙に投入(菊地・飯野・佐々木と交代)と、這う這うの体の相手に止めを刺す、と言わんばかりの采配を敢行する吉田孝行監督。

その思惑通りに好機を作る神戸。
18分には右CKから、キッカー初瀬のクロスは流れるも逆サイドで拾った井手口が再度クロス、これを大外で収めてシュートしたのは最初に蹴った初瀬。(GK小島セーブ)
続く19分にも、ゴールキックのロングフィードを拾われるも、飯野が取り返して確保したのち鍬先が中央突破。
ラストパスを左ポケットで受けたパトリッキがカットインを経てシュート(枠外)と、マークすべき交代選手が入った事で、既存の選手が輝くといった流れとなり。

窮地の新潟も20分にベンチが動き、神戸と同じく3枚替え。
島田・太田・小野に代え、奥村とダニーロ・ゴメス、長倉の3人を投入します。
手薄となった陣容故に、お鉢が回ってきたような奥村(ボランチも前節宮本が負傷交代……)は多彩な動きでパスを引き出し、相手もまだ研究段階なのか以降彼のプレーに翻弄され気味に。

22分にCKを得た新潟、クリアボールをダイレクトでシュートにいった遠藤ですがあろう事か空振り。
これを拾われて神戸のカウンターとなり、酒井・大迫が絡む状況となったものの、何とかシュートは撃たせず。
この日の大迫はじめ神戸の交代選手は、やはり体力面に不安を抱えていたのかあまり調子は良くなかった事が新潟にとって幸いだったでしょうか。(27分に鍬先→山口へと交代)
それでも30分には、初瀬の左サイドの突破を経て上げられたクロスに、武藤が合わせヘディングシュート(ゴール上へ外れ)と一発の恐怖は兼ね備え。

31分の新潟、敵陣でサイドを振り続ける攻撃の末に、左ポケット奥を突いた星により左CKに辿り着き。
キッカー長谷川元の中央へのクロスを遠藤がフリック(この時点でGK前川が跳び出してゴールが空に)し、大外から舞行龍が折り返したボールを合わせたのは、フリックで倒れたのち素早く起き上がった遠藤。
ゴールネットを揺らし、CB2人の敵ゴール前での働きで得点を挙げ、これで再度1点差に迫ります。

勢いを付けたい新潟は、続く32分にダニーロのドリブルがパトリッキに倒され、反則によりフリーキックとその目論見通りという流れに。
このFKでの二次攻撃で長く繋ぎ、またもダニーロの突破で右ポケットを突いてクロス。
遠藤の折り返しを経て長倉がシュート(ゴール左へ外れる)と、ジョーカーらしいダニーロの働きでリズムが生まれてきました。

一方前半の圧倒的な流れから一転、という神戸。
交代により勢いを失う、と取られかねない流れでしたが、最後の交代は37分で宮代→山内。
ここに来て経験の浅い選手を選択(もう片方残っていたのは本多)と、やはりターンオーバーを敢行した試合な以上、フレッシュな方が良いという判断でしょうか。
その読みは当たり、尚も続けられる新潟の攻勢に対し、ボール奪取からの好機を頻発させる神戸。

41分にはロングパス→落としを経て、拾った武藤が舞行龍に倒されて反則。
すると山口が素早くFKをリスタートし、右ポケットに送られたボールを受けた大迫から、ファーへのクロスをパトリッキが落とし。
何とかクリアされたボールを井手口がシュートし、GK小島が片手で辛うじてセーブという決定機に。

追い上げたい終盤で、守勢を強いられるのは避けたい新潟。
何とか体勢を整えるも、強度を保った神戸の前に地上での運びは厳しくなり。
そんな中で44分、左サイドで繋ぐ状況から、長谷川元がミドルパスでの戻しを選択し最終ラインへ。
一旦神戸の守備を引き付けて、という読みは当たり、その後秋山の左ポケットを突くミドルパスに走り込んだ鈴木が折り返し。
そして中央で長倉が合わせてゴールネットを揺らし、値千金の同点弾か、と思われましたがオフサイドを告げる笛が鳴り響き。
鈴木の抜け出しの時点で取られた模様で、ピッチ脇でガッツボーズをした松橋力蔵監督もぬか喜びに終わる結果となってしまいました。

結局これが最後の好機となり、ATでは神戸がセットプレー攻勢に持ち込むと、左CKの連続による大迫のボールキープで時間を使い。
スコア的には接戦も、終始優勢を保った神戸が順当というべき勝利に辿り着きました。

必死に食らい付いた新潟ですが、地上での運びに関しては課題しか見えない試合となり。
特に前半は、神戸の前線の守備をスライドさせる事が殆ど出来ずに終わったという感じでした。
コンディション面での不利を組織力で跳ね返す展開には持ち込めず、今後に不安を残しかねない内容でしたが果たして。

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