ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2024年J2リーグ第15節 藤枝MYFCvsブラウブリッツ秋田

2024-05-14 16:00:27 | サッカー視聴記(J2)

※前回の藤枝の記事はこちら(12節・水戸戦、3-2)
※前回の秋田の記事はこちら(10節・岡山戦、0-0)

<藤枝スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 閑田(大阪学院大)の来季加入が内定し、その後特別指定選手となり今節から登録される。
  • カルリーニョスが今季初のメンバー入り。

<秋田スタメン>

  • 水谷・喜岡以外に主な故障者のリリースは無しも、ベンチ外が続いている岡﨑・中村辺りが該当か。

アンデルソン・ウエンデルといった助っ人パワーを活用し、上昇機運に乗った藤枝。
前年も在籍していたアンデルソンはともかく、ウエンデルの起用そしてその活用方法は異質に映り。
この日のスタメンは、GK北村以外に前年の主力だった選手は西矢ぐらいのもの(最高出場成績がアンデルソンの23試合・1290分)で、不振による微調整を経て大幅な刷新が図られる結果に辿り着いた格好に。
そしてベンチにはカルリーニョスが初めて入るという具合に、尚も新たな血の投入が図られ。

かくして、超攻撃的vs秋田一体の試合が始まり。
ともにベクトルの違うチームカラーながら、立ち上がりは類似的なサッカーによる一進一退。
元来ロングボール主体の秋田は言わずもなが、藤枝もウエンデルの登用以降、彼を前線に上げた所に放り込むパワーサッカーの手法を多用している現状。
前半2分に左サイドで空中戦を経てボールを確保したウエンデルから、パスを受けたシマブクが奥へ切り込んでクロス。
クリアされた跳ね返りを矢村がダイレクトでシュート(枠外)と、その新たな武器からまず一矢を放ちました。

しかし藤枝が同じ土俵に立った結果、本家のパワーサッカーつまり秋田の攻勢が本領を発揮。
早速直後の3分にロングボールでの攻めから右スローインとなり、小野原がロングスローの体勢を取るお馴染みの光景に。(ここはフェイントで短く放る)
小柳の縦パスをカットするも、その際にアンデルソンが味方の大曽根に削られてしまうというアクシデントも生まれるなど、カオスな状態を強いられる事となる藤枝。(アンデルソンは無事でピッチ外→復帰)

ペースを掴んだ秋田、6分にボールキープするウエンデルから今度はボール奪取に成功してカウンター、畑が持ち運びから左ポケットへ裏抜けのミドルパス。
これに走り込んだ青木がダイレクトでシュートするも、ボールはサイドネット外。
続く7分にも空中戦を制したのち縦に速く運び、青木が中央を持ち運び右へ展開、受けた畑がクロス。
これがピンポイントで走り込んだ青木の頭にピタリと合いましたが、ヘディングシュートはGK北村のセーブに遭い決められず。

秋田のスタイルがスタイル故に、守備時の藤枝はほぼハイプレスを諦める格好に。(すぐにロングボールを蹴られるため)
パワーサッカーを繰り広げる相手の攻撃を凌ぎながら、いかにこちらの攻撃でリズムを取り替えすかという展開に。
9分に自陣深め右サイドから繋ぎ始め、大曽根・山原の動きながらのパス交換で秋田のゲーゲンプレスをいなし。
そして左へ展開ののち西矢が対角線のロングパスを右奥へ送る(大曽根には繋がらず)と、本来のボールを動かしながら裏を突く攻めを見せ。
この姿勢がカギとなりそうですが、以降は秋田の強度の高さに苦しむ時間が長くなります。

13分にも中盤での空中戦から、青木のフリックを拾いにいった諸岡が平尾のチャージを受けて反則。
これで秋田の左サイド浅めからのフリーキックとなり、クロスの跳ね返りを小野原が逆の右サイドから再度クロス。
これを河野が落とし、拾った小柳がシュートとセンターバックのコンビプレーで仕留めたかに見えましたが、シュートは惜しくもゴール左へ外れ。
主導権を握りながらも、創出する決定機で中々決められず。

また秋田は純正4-4-2でのディフェンスながら、そのパワーを前面に押し出す姿勢故か(というか単にマンツーマンの意識が強いためだろう)、持ち場を離れてしまう事が多々。
21分の藤枝の攻撃、右ワイドに開き縦パスを受けにいったアンデルソンに対し、CBの河野が付いていく格好となります。
ここで奪いきりカウンターになりかけたものの、藤枝が本来の流動性を高めた際に耐えうるのか、という懸念も浮かび上がり。

それでも、そんな不安材料を余所に好機を重ねる秋田。
23分には諸岡のボール奪取から、小野原がワンタッチで送ったミドルパスを小松が入れ替わる事でウエンデルを剥がして抜け出し。
そして右ポケットに進入してシュートを放つも、GK北村のセーブを掠めて右ポストを直撃と、またも後一歩の所で運が巡って来ず。
攻撃権は順調に増やしていくものの、肝心のゴールが決められない流れとあり、その積極性にやや陰りが見え始め。(単純に藤枝がプレスに出て来ないという事もあり)
従来なら躊躇わずに縦パス・浮き球パスを前線に送る所を、戻して作り直しを選択する事が目に見えて多くなります。
CBからボランチへパス出し→再度CBへ戻すという具合に、本当に秋田のサッカーを観ているのかと錯覚する場面もあり。

一方秋田のプレッシングに苛まれる藤枝は、次第にウエンデル狙いのロングボール一辺倒を余儀なくされる流れに。
後方で何とか流れを作りたい状況で迎えた35分、右サイドでの前進の姿勢から戻して作り直しを選択すると、中川創→GK北村→山原と長い距離を取った地上でのパスでサイドチェンジ。
これに秋田はプレッシャーを掛けるも長距離なため間に合わず、山原の裏へのロングパスを許す事に繋がります。(走り込んだ先で矢村が小柳に反則して実らず)

こうした地道な作業が、好循環に繋がったでしょうか。
41分、敵陣右サイドでのボール奪取から戻しを経てパスワークに入ると、梶川が右→左へ対角線のロングパス。
送った先は一気に左ポケット奥で、例によって上がっていたウエンデルの折り返しが決まると、矢村が中央で合わせヘディングシュート。
完璧な流れで放たれたフィニッシュでしたが、GK圍の左足でのビッグセーブに阻まれ先制はなりません。

その後攻勢に入る藤枝、相手のお株を奪うセットプレー攻勢。
CK2本に加え、ウエンデルのロングスローも使いながら攻め立てましたが、フィニッシュは生まれる事無く前半終了となり。

スコアレスでの折り返し。
パワーを存分に発揮し、攻撃機会・フィニッシュを多く得た秋田。
苦労しながらも主体的な攻めの道筋を得て、最後に流れを掴んだ藤枝。
そのぶつかり合いはスコアが示す通り一歩も譲らずで、交代も無く後半開始を迎えました。

その入りで、自身の展開に持ち込んだのは秋田の方。
後半2分にやはり小野原のロングスロー、跳ね返りを左へと展開して才藤の低いクロスがエリア内中央へ。
これを最初に合わせにいった佐藤は撃てずも、浮かんだ所を小松がバイシクルでシュートを放ち。
ウエンデルがヘッドでブロックするも、左CKで継続と秋田理想のセットプレー攻勢に。

しかしここから生まれたのは事件、では無く珍事でした。
ここでもクロスの跳ね返りを繋いで二次攻撃に入った秋田、佐藤が中央からエリア内に切り込んだ所でスリップしてしまい。
それでもそのままシュートにいった佐藤でしたが、中川創のブロックで跳ね返されると、勢い余って中川創を削ってしまう事となり。
またこぼれ球を藤枝が繋いでカウンターか、という所で反則を告げる笛が鳴った事で、これとは別件で藤枝サイドが紛糾する事態となります。

当然ながら猛烈に異議を飛ばす須藤大輔監督と、その前に立っていた秋田選手との言い争いも発生し。
その秋田選手は、左サイド故に必然的に須藤監督の側に居る状況となっていた才藤で、反則したのちポジションに付いた佐藤も同サイドに居た事で話がややこしくなったでしょうか。
それに対し主審(窪田陽輔氏)が警告を突き出した所、紛糾冷めやらぬ才藤があろう事かペットボトルを叩きつける蛮行に出てしまいます。
そして踵を返した主審が、またも警告を突き出すと、2度目という事象に従い赤いカードまで突き出す事態に。
才藤の連続警告による退場かと思われましたが、秋田サイドの抗議と、審判団の協議によりこの退場が取り消される事となり。
最初の警告はあくまで佐藤の反則に拠るもので、(佐藤と才藤が同じ側に居る事もあり)須藤監督と言い争いしていた才藤に向かって出される絵図になるという主審側の勘違い。
それがお互い誤解に繋がってしまった故の結果、と推測します。
いずれにせよ、あわや数的不利になりかねなかった秋田は命拾い。

しかしこれによりリズムが狂った秋田。
その後藤枝が、ウエンデルのロングスローの連続で攻撃権を奪うと、再び最終ラインからの繋ぎでリズムを掴まんとする展開に。

流れを変えるべき状況となった秋田は、16分にベンチが動き畑・小松→大石・梶谷へと2枚替え。
ここでも最初に交代ボードに表示されたのは小松では無く青木の番号と、審判団がどうにもバタバタしている印象を残す絵図が生まれ。
それが両チームにも波及したのか、17分には藤枝のパスミスから、拾った梶谷のスルーパスで秋田の好機。(右奥から大石クロス→跳ね返りを左から才藤クロス)
19分に今度は秋田がバックパスをミスし、拾ったアンデルソンが右奥へ切り込んでマイナスのクロス(大曽根の手前でカットされる)と、お互い様の流れとなるピッチ上。

それでも、新たに入った梶谷のターゲット能力を活かして優位に立つ秋田。
彼のフリックを軸に再度攻撃機会を膨らませるも、得点出来ないという流れは相変わらずであり。

そして24分に再度動く秋田ベンチ、佐藤・青木→ケンチザンガ・半田へと2枚替え。
これで梶谷が左サイドハーフに移り、主なターゲットはケンチザンガという体勢になります。
一方の藤枝も26分にカードを切り。
ウエンデルに代え、初出場となるカルリーニョスを投入。
これでカルリーニョスが右CB・中川創が左CBとなり、カルリーニョスはウエンデルと異なり最初から前に上がらないのでこちらも体勢変更。

29分の藤枝、左サイドからパスによる前進を経て西矢が運ぶ体勢となり、ポケットへのスルーパスに走り込んだアンデルソンがグラウンダーでクロス。
これをニアサイドで矢村が合わせましたが、ジャストミート出来ずゴール右へと外れてしまい。
一方の秋田は31分に左スローイン、才藤のロングスローをニアで河野がフリック→半田落とし→梶谷と繋げ。
バックパスから諸岡がシュートを放つも大曽根がブロック。
お互い得意手によるフィニッシュの応酬と、この時間帯でも優劣が付かない展開を繰り広げ。

しかしここから、シマブクを跳梁させる事でペースを掴む藤枝。
34分に中川創のスルーパスを左奥で受け、切り返してポケットへ進入したのちシュートを放ったシマブク。(枠外)
この時点ではまだ自ら仕掛ける事はあまりしない状態でしたが、35分にベンチが動き梶川→中川風へと交代。
これでパサーよりもフィニッシャーに傾倒した結果、突破力を武器にする腹積もりが固まった感がありました。

一方秋田も、それに伴い(シマブクの背後を突くように)右サイドで大石がクロスに持ち込む攻撃で対抗姿勢。
しかし41分に最後のカードを使って(小野原→栗本)からはすっかり減衰し、藤枝のパスサッカー+シマブクのドリブルにひたすら押し込まれる状態となり。
「謎の助っ人」感のあるカルリーニョスも、43分に右からロングスローを放り込み、クリアボールを更に自身で折り返す(その後山原フリック→中川風も撃てず)などそれなりにチャンス創出に貢献します。

それでもスコアが動かないまま、アディショナルタイムへ。
依然として優位を保つ藤枝はその突入直後、右からパスワークで前進の姿勢をとったのち、平尾がマイナス方向へサイドチェンジを送るという具合にあくまでシマブクを使い。
中川創を経由して受けたシマブク、縦突破かカットインかの二択に持ち込んだのち、後者の姿勢からクロス。
これをアンデルソンがフリックし中央の矢村に渡る絶好機となり、中川風への横パスを選択した事でディフェンスと縺れ混戦となるエリア内。
シュートにいった矢村は空振りするも、そのこぼれをすかさず中川風が押し込み、ゴール左へと突き刺さるボール。
最後はゴール前での執念が勝る格好で、とうとう先制点に辿り着きました。

一方ここに来てビハインドとなった秋田、残された時間で、千葉戦(11節・2-1)の再現を狙いたい展開。
右からロングスローという状況に持ち込んだものの、ここで残っていたカードを使った藤枝ベンチ。(大曽根・シマブク→河上→鈴木、中川創が左ウイングバックへシフトか)
これにより待たされたスロワーの村松は、再開するタイミングを掴めず、あろう事か遅延行為による警告を貰ってしまい。
最後まで審判との波長が合わないといったこの日の秋田でした。

右CKに持ち込み、GK圍も上がる総動員体制で同点を狙ったものの、クロスが逆サイドに流れた所を平尾が拾って藤枝のカウンターに。
必死で戻る圍を尻目に、中盤からロングシュートを狙った平尾でしたが、これは栗本がヘッドでブロックして何とか2点目は許さず。
しかしフィニッシュを放てないまま、最後は反則で藤枝のFKとなった所で試合終了の時を迎えました。

4連勝を達成した藤枝、降格圏から一気に浮上し、この日をもって相手の秋田を順位で抜く事にもなり。
同じ前年の昇格組のいわき同様、新たなメンバーを駆使して戦う腹積もりは構築されつつある、といった所でしょうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする