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DAZN観戦 2024年J2リーグ第14節 水戸ホーリーホックvsロアッソ熊本

2024-05-09 16:01:12 | サッカー視聴記(J2)

※前回の水戸の記事はこちら(12節・藤枝戦、2-3)
※前回の熊本の記事はこちら(9節・長崎戦、3-4)

<水戸スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 監督を交代。13節(横浜FC戦、0-2)終了後に濱崎芳己監督を解任し、コーチ(正式な肩書は「ディベロップメントコーチ」)の森直樹氏が代行監督に。
  • 前節は落合がトップ下の4-2-3-1で、この日再度4-4-2に。
  • 緊急事態を受けてか、超ベテランのGK本間が今季初のベンチ入り。

<熊本スタメン>

  • 長らく負傷離脱していた竹本が、10節(甲府戦、3-3)で復帰し即スタメン出場。
  • 負傷離脱していた石川が、前節(鹿児島戦、2-2)復帰し途中出場。
  • 前節負傷交代したGK田代がベンチ外に。それに伴い佐藤優が今季初スタメン、佐藤史が初のベンチ入りとそれぞれ序列アップ。

現在のJ2の順位的な状況は、群馬の1人負けといった感じ。
2017年を彷彿とさせる展開でありますが、その際群馬の一つ上でブービーだったのが熊本。
山口・讃岐と熾烈な残留争いを繰り広げ、敗れてしまい降格圏が確定したものの、J3での昇格クラブが栃木のみに終わったため残留という形になりました。(結局翌年降格してしまうのですが)

時を経て再度似たような状態が訪れ、自身の立場を確認すると、目下5戦未勝利。(2分3敗)
この間常時複数失点しておりチームの安定感は皆無という、不調期にありがちな症状でありますが、このままでは残留争いに巻き込まれた時が怖い。
当時のシーズンをなぞってしまわないためにも、何とか歯止めを掛けたい所ですが果たして。

対戦相手の水戸は、そのために監督交代という荒療治を敢行してからの最初の試合。
メンバー選考で目を惹くのがGK本間で、精神的支柱の彼を加える事で、まずは精神面からという建て直しを図ってきた感がある森監督代行。

しかし水戸に対する逆風は、文字通り向かい風という形に表れ。(まあコイントスで熊本が選択権を得た結果ですが)
この悪条件(熊本サイドも、追い風でロングボールが伸びすぎて困るという要素があり)へのアジャストが第一となった入り。
早速の前半2分に、後藤田のロングパスが伸びずに大西に拾われると、左サイドでのパスワークを経て奥を取った松岡がクロス。
これが風で伸びた結果ゴールに向かうボールとなり、GK松原がコーナーへ何とか逃れ。
するとその右CKでも、キッカー豊田のインスイングでのクロスが強烈な弧を描き、右ゴールポストを直撃するあわやのキックとなります。

水戸は逆風の状況でもロングボールを主体とし、伸びない事を計算に入れて2トップがターゲットを務める立ち回り。
一度ボールが左タッチラインを割れば、大崎のロングスローを躊躇わずに活用するという、いかにも監督交代から間も無いといったサッカーを展開します。
戦術的な調整としては、右サイドバックが最初から高い位置を取るのを取り止め。
最終ラインはボックス型でのビルドアップの姿勢を取る、オーソドックスな形へと戻して再出発を図るやり口。

そんな積み上げたものをリセットした相手に対し、ペースを掴みたい熊本。
しかし風がそれを邪魔し、ロングボールのみならず、グラウンダーでのスルーパスも距離・速度が付加され繋がらないシーンが数多。
ならばと何時ものようにショートパス主体で繋ごうとした所に、水戸のハイプレスが襲い掛かるという悪循環で、思うように攻撃機会を増やせません。

16分、水戸は左サイドからの組み立てで、中央に寄っていた黒川が縦パスを受けたのち寺沼のミドルパスで右へ展開。
そして受けた後藤田のアーリークロスが入ると、中央で跳んだ安藤を越えた奥で寺沼が身を屈めてのヘッドで合わせ。
しかし枠を捉えられずと、逆風を突くように作った好機はモノに出来ず。

その後は、熊本のショートパス攻勢と、水戸のハイプレス・ゲーゲンプレスが噛み合う事で狭い局面でのやり合いが増え。
ボールカットに成功してもすかさず奪い返されるの連続で、攻勢の流れが生まれる事無く時間が進んでいきます。

チームは不振ながら、攻撃面はいつも通りの流れを保っていた前節までの熊本だけに、この展開はある意味予想外であり。
風を味方に付ける事が出来ず、苦戦を強いられる感じだったでしょうか。
33分、右サイドでの繋ぎによる狭い局面から、戻しを経て黒木が一気に左サイド裏へとロングパス。
これを奥で松岡が受けて状況打開といきたかったですが、その後三島へのバックパスが繋がらずと、こうしたイージーなパスの繋ぎも乱れが生じてしまい。

以降も、裏抜けのパスを狙えばオフサイドを量産する結果となるなど不本意な時間を過ごす熊本。
それを尻目に、水戸は38分大崎のロングスローから、安藤フリック→黒川ポストプレイ→前田ダイレクトでシュート(枠外)と好機。
良好な流れを作れないなかでも、出来る事でしっかりフィニッシュに結び付ける精神を発揮し始め。

ようやく最終盤に熊本が攻勢に入るも、それも松岡を中心とした左サイドでの前進からのクロス攻勢一辺倒。
45分に松岡の手前からのクロス、跳ね返りを竹本がボレーシュート(GK松原キャッチ)に持ち込んだのが唯一のフィニッシュとなり。
結局ゴールが生まれる事無く前半終了。

ハーフタイムで双方交代。
水戸は寺沼→久保、熊本は竹本→べジョンミン。
ともに連戦を考慮した節がある交代ながら、どちらかといえば、故障明けで長く持たない竹本という要素が混じる熊本の方が後ろ向きな采配に見え。

そして後半開始、エンドが変わり追い風となった水戸の攻勢が始まり。
前半に向かい風を計算に入れてのプレーを見せていた事もあり、熊本と異なり風が敵に回る場面は殆ど無く。

早速敵陣に入り込み、セットプレー中心に脅かしていく水戸。
後半2分は例によって大崎のロングスローからで、クリアされたのち逆サイドから後藤田のクロスが再度入り、跳ね返りを山田がシュートするもべジョンミンのブロックで右CKに。
これがこの日水戸の初CKであり、モノにするべくゴール前に密集を作り、クロス→長井折り返しの跳ね返りを牛澤がさらにヘッドで前に送るもGK佐藤優に抑えられ。

その圧力から脱したい熊本ですが、相変わらず水戸のプレスに悩まされ距離感が狭いなかでのプレーを余儀なくされ。
その結果、5分に豊田のトラップミスから水戸の好機となり、久保のミドルシュートはブロックされるもその後浮き球をヘッドの連続で運んで左スローインに。
当然大崎のロングスロー、投げ入れられたボールに対しクリアに跳んだものの目測を誤るべジョンミン。
そして山田が前へ繋いだボールを黒川が詰める格好で、シュートをゴールに叩き込みます。
浮き球への対応力の差が露骨に現れる格好で、水戸がリードを奪いました。

この浮き球に対しての熊本の不調ぶりは続き。
9分に左→右のサイドチェンジを通さんとするも、受けたべジョンミンが収められずに大崎のダイレクトパスで一転水戸の攻撃に。(その後新井→安藤と推進も奪われる)
GK佐藤優のロングフィードは、風により強烈に押し戻される有様で何度もキックミスの絵面を見せてしまいます。

逆に15分、またも大崎のロングスローからで、今度は誰も触れずに中央でバウンドするボールとなり。
何とか掻き出す熊本ですが、長井が間髪入れずにエリア内へ縦パスを送り、こぼれ球をクリア→再度長井がボレーで縦パスと押し問答。(その後前田のハンドで途切れ)

リズムを作れない熊本を尻目に、水戸は17分に安藤→落合へと交代。
前節同様の4-2-3-1にシフトしたようですが、久保がターゲットとして下がり目となるため常時4-4-2にも見え。

何とか反撃したい熊本。
しかし依然として、地上でのパスワーク→水戸のタイトな寄せに苦しむ→ロングボール→風に押し戻される、という悪循環を振り払えず。
21分にベンチが動き、藤井・松岡→石川・道脇へと2枚替え。
ターゲット役を重視した前線の布陣となるも、一向に彼らにロングボールが伸びないので活きずに終わります。

逆に泥臭く熊本ゴールに迫る水戸。
25分には長井が前に出て蹴り出しをブロックし、そのままミドルシュートを放つも枠外に。
しかもこの際熊本のパスが急所に当たったらしく、シュートの後倒れ込んでしまう事態となり。(その後起き上がりプレー続行)

熊本は29分に右スローインから形作り、黒木の縦パスを受けた三島が右ポケットへパスを送り、石川→べジョンミンと繋いでいくもディフェンスに遭い浮き球に。
これを道脇が落とし、クリアされるも左サイドで拾って継続し、岩下のグラウンダーのクロスをニアで受けた石川がシュート。
長井がブロックした跳ね返りを、さらに上村周がミドルシュートで追撃しますが、これも牛澤が頭でブロックとようやく辿り着いたフィニッシュ攻勢も防がれてしまいます。
この際に牛澤が脳震盪チェックを受ける(問題無し)など、守備でも身体を張ってリードを守りにいく水戸の姿勢が光る事に。

34分水戸は再度交代カードを使い、長井・新井→長尾・得能へと2枚替え。
前線の機動力を保つと、その成果を発揮したのが36分でした。
熊本が最終ラインから繋ぐ所に、前田が前に出てパスカットに成功してショートカウンターに持ち込み。
久保→前田と経由して落合が前を向く状況となり、ペナルティアーク際から果敢に放ったミドルシュートがゴール右へと突き刺さります。
貴重な追加点で、勝利へボルテージを一気に高める水戸サイド。

一方ここに来て繋ぎの精度の悪さが失点に直結した熊本。
これまでの試合とは一転、攻撃も守備もまるで駄目という内容ですが、狼狽する暇は無く。
しかしベンチはその後交代カードを使わずと、この悪条件故に動けなかったのか、それとももう切れる選手が居なかったのか。

その後も38分に水戸の好機、交代で入った得能が左サイドを抉ってカットイン。
ポケットでディフェンスが奪ったものの、直後のプレッシャーを受けそのままゴールラインを割ってCKと、圧力に屈するという絵図は尚も続きます。

終盤になり、ようやく矢印が前に向いてきた熊本は42分に江﨑が前に出て敵陣でパスカット。
するとすかさず落合に倒されて反則となり、水戸の流れを切る事に成功します。
(このフリーキックの前に、水戸は黒川→甲田へと交代)
ここから水戸サイドに反則が膨らみ、特にエアバトルでのチャージが目立ち。
熊本が不利となっていた空中戦ですが、時間も押し迫った事で水戸に疲弊による立ち遅れの色が濃くなってきたでしょうか。(アディショナルタイムにはべジョンミンに対し頭部にチャージした山田が反則・警告)

しかしこれらによるセットプレー攻勢もモノに出来ず。
ATも終盤、流れの中から好機を作り、右奥から石川クロス→クリアされて左で拾った大西がクロスと最後といえるクロス攻勢。
この2本目のクロスに、ファーで石川が合わせヘディングシュートを放つも、ゴール上へ外れてしまい万事休すとなり。

結局2-0のまま、水戸が勝利に辿り着き。
笛が鳴ったその刹那、関係者から一斉に祝福を受ける森氏、その慕われぶりが伺える光景となりました。

最後に、水戸の監督交代について軽く振り返り。
サッカーに関しては濱崎氏なりに色々思考した節が伺えるも、結局は戦力的な不利を打開できずに終わり。
特にビルドアップは、極端な右肩上がりかつ3枚の最終ラインが幅を取るという基本形に、さらにボランチが降りてくるなど複雑化。
傍らから見ても、それが魔改造のように映ってしまった感がありました。
新人の大量補強と活用も、苦しいなりの方策として納得できるものの、それにより前年多数起用されていた主力選手が置いてきぼりになっていなかったか。

徳島の件に比べるとゴタゴタ感は薄いものの、それ故に色々邪推し考えさせられてしまう。(自分が悪い)
それはともかくとして、この日シンプルになって結果を出した事を軸とし、何とか立ち直って貰いたいものです。

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