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DAZN観戦 2024年J2リーグ第15節 ベガルタ仙台vsザスパ群馬

2024-05-13 16:00:45 | サッカー視聴記(J2)

※前回の仙台の記事はこちら(10節・山形戦、2-0)
※前回の群馬の記事はこちら(11節・甲府戦、1-4)

<仙台スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 長期離脱していた真瀬が11節(清水戦、2-3)で復帰し、以降毎試合途中出場。
  • 石尾・工藤蒼・オナイウの3人が揃ってプロA契約を締結。

<群馬スタメン>

  • 監督を交代。5/8付で大槻毅監督を解任(正確には「双方合意の下で契約解除」)し、ヘッドコーチの武藤覚氏が昇格という形で新監督に。
  • yahooスポーツナビ、DAZNの予想フォーメーションとも3-4-2-1の布陣。しかし守備時は佐藤が前に出て高澤と2トップになっての5-3-2となるため、3-3-2-2(3-1-4-2)と推測。
  • 前節(清水戦、0-3)負傷交代した北川がベンチ外に。

ここでも述べた通り、目下1人負け状態となってしまっている群馬。
とうとう監督交代という(名目上の)特効薬に手を付け……となったものの、そこまでにも様々な事があり。

僅か1勝のみの体たらくに、サポーターの我慢も限界という状態に陥ったか、12節・長崎戦(1-2)の試合後に所謂「バス囲み」が発生し。
これにフロント陣も慌てた(とはいうものの、「説明する」と釈明しておいて出て来なかったのがバス囲みが起こった原因らしい)か、緊急的にサポーターカンファレンスの開催が約束され、実際4/30に行われる事となり。
ここで行われた侃々諤々の議論?を経てさあ再出発、というのが解り易いチーム再建の流れでしたが、これでも全く浮上しない成績。
連敗は尚も2つ伸び、その顛末がこの監督交代となりました。

徳島・水戸に続いて今季3クラブ目の監督交代ですが、いずれもコーチの昇格という消極的選択となっている新監督。
3クラブとも「解任」「契約解除」の枠組みなので、違約金も伴う(と推測される)ため新監督招聘の余裕が無い、というのが容易な邪推であり。
目新しいのは、3人(徳島=増田功作氏・水戸=森直樹氏)とも監督経験はこれが初めてという要素でしょうか。
コーチからの昇格は、既に就任済みの有力なコーチ(監督経験あり)が後を引き継ぐ(清水の秋葉忠宏氏とか)というのが解り易い手法ですが、こうしたリスクマネジメントにも一定のコストが必要なのは言うまでも無く。
そうした人材も枯渇気味なのか、ないしは偶然にも新たな人材発掘というトレンドに繋がるか、興味深く見守っていこうと思います。

かくして、前年チーム最高といえる成績を残した大槻氏を切る事を余儀なくされ、再スタートを図った群馬。
布陣的には、高橋を1ボランチとした、アンカー+2インサイドハーフ(玉城・天笠)の位置取りに。
3ボランチというメンバー選択が織り成すフォーメーションで、2トップのプレッシングによる積極性を出したかったでしょうか。
その通りに前半4分、左サイドで佐藤が反則気味にボールを奪い、そのまま奥へ切り込みにいくショートカウンターを展開しますが奪われて実らず。
5分にも玉城がカットに成功して繋ぎに入りますが、佐藤→天笠のパスがズレるという具合に、前線でボール奪取してもその後の正確性に欠けフィニッシュに繋がりません。

すると仙台の逆襲が始まり、7分にオナイウの右サイドの突破から右コーナーキックに持ち込み。
そしてキッカー長澤のクロスを中央で菅田がヘディングシュート、GK櫛引がセーブした所にすかさず眼前で詰めた松井。
菊地がヘッドでクリアするも、その場は既にゴール内だったためゴールが認められました。(一応その後のクリアも、郷家が詰めてネットを揺らしたためどちらにしろゴール)
早々に先制点した仙台を尻目に、この日も追い掛ける立場を余儀なくされた群馬。

ビハインドで焦る相手に対し、仙台はボールポゼッションを高める事でそれを増幅させに掛かるという、アドバンテージを最大限生かす典型的な立ち回り。
しかしそれは、既に成績的に死に体に近い群馬に対しては最もやって欲しくないものと化し。
11分、間で最終ラインからのパスを受けた松井から右へ展開して前進、縦パスを入れ替わりで受けたオナイウの突破に持ち込むという攻撃。(ポケット奥からクロスも中島には合わず)
続く12分今度は逆の左サイド、中島のスルーパスを受けた相良がカットインを経て左ポケットからシュート。(GK櫛引キャッチ)
一度両翼に渡れば、その威力でゴールを脅かすという単純かつ強力な手法でありました。

何とかペースを確保すべく、前監督のサッカーよろしく最終ラインからの繋ぎを試みる群馬。
以前の体制に比べ、最終ラインが心なしか幅を取っている感があり、相手の前線を動かさんという意識が高まっているようでした。
しかし仙台の卓越したプレッシャーに対し効果的とはならず、前進にも窮する状態に。

すると29分にその最終ラインの繋ぎでミスが生まれ、それがスコアに直結する事に。
直前にも敵陣での松井のカットからショートカウンター(スルーパスを受けた中島が奪われて撃てず)、というシーンを作られましたが、これで精神的にも追い詰められていたでしょうか。
城和の単純な左への足下パスでしたが、これをあろう事か菊地が受けられずオナイウに拾われると、すかさずのサイドチェンジを受けた相良が中央を推進。
トランジションを強いられプレッシャーを掛けられない群馬を尻目に、果敢に放たれたミドルシュートが、GK櫛引を棒立ちにさせた末にゴール右へと突き刺さります。
群馬とは何から何まで対照的、という事を証明するかのような仙台の追加点となりました。

これ以降群馬の最終ラインは大事にいきたいという思いが強まった結果、幅を取る姿勢は影を潜め、前体制のような中央重視の繋ぎに終始する事に。
その一方で前線は開き直りからかプレッシャーを強め、32分にはGK林の蹴り出しを前に出た高橋がブロック。
これがゴール方向へ向かった結果左へ外れる際どいものとなったのが、前半最大の見せ場だったでしょうか。

ボール保持を軸として攻勢に入りたい群馬ですが、その姿勢からはほぼ何も起こらず。
逆に44分左サイドへの対角線のロングパスが高田にカットされた所を、プレスバックした山中が奪って前進からグラウンダーでクロスと、ストーミング風味な手法から好機を作るという逆現象に陥る事となり。

結局どちらの攻撃方法でも、フィニッシュを放てない群馬。
アディショナルタイムにオナイウの裏抜けが菊地の反則を呼び込んだ事で、セットプレー攻勢で時間を使う仙台。
GK櫛引が菅田と交錯するという一幕もあり、最後まで仙台の優勢という流れで前半終了となります。

後半開始の前に、両チームともベンチに動きが。
仙台がオナイウ→真瀬へ交代と、駒の豊富さを存分に発揮する一方で、群馬は玉城→佐川へと交代。
FWに入る佐川に伴い、佐藤が一列降りて右IHとなるポジションチェンジも交わる采配となりました。

ベンチワークを経て始まった後半も、積極性を何とか形に繋げんとする群馬の悪戦苦闘という絵図に。
しかも今度は、それが反則ギリギリのアタックという、悪く言えば悪目立ちする格好となり。
特に後半5分には、郷家が城和のスライディングを受けるも反則の笛は鳴らず、群馬がボールを繋ぐ間にも長らく倒れ込む郷家。
そして仙台のホーム・ユアテックスタジアム仙台のスタンドから声高く上げられるブーイングと、その雰囲気の悪さをスタジアム全体に波及させてしまった感がありました。(郷家はその後起き上がり無事に継続)

サッカー的には、ハーフレーンでパスを受ける佐藤を何とかビルドアップの出口としたいという群馬の立ち回り。
しかし当然仙台サイドもそこへのチェックは欠かさないので、それは容易な事では無く。
潰されて中々形に出来ない中で、12分にパスを受けた佐藤が囲まれながらもワイドに流れてボールキープ。
そして2人を剥がして前進に成功(その後高橋が反則を受けて途切れる)と、この攻防をモノにして流れを掴みたいという思惑を盾に対抗姿勢を見せます。

そしてそれが結実したのが14分、ここも田頭が右サイドで反則気味にボール奪取し、佐藤を経由し逆サイドへの展開。
そして中央を2トップが強引に突破を図ると、細かな繋ぎから佐川のポストプレイを経て高澤が抜け出す事に成功し、後ろから松井に倒されて反則・警告。
そしてその位置はペナルティアークからすぐ手前と、絶好の直接フリーキックとなります。
キッカーは当然佐藤で、入念に時間を取った末に左足で放たれたそのシュートがゴール左上を襲い。
ゴールバーを直撃するも、バウンドで浮き上がったボールには既に高橋が詰める事に成功しており、悠々と放たれたヘディングシュートでゴール。
1点を返し、望みを繋ぐ群馬。

同点、そして逆転への希望が生まれた群馬ですが、その後は仙台の層の厚さが襲い掛かり。
直後の18分(群馬のゴールは17分)、GK林のロングフィードでターゲットとなったのは右サイドの真瀬で、セカンドボールを繋いでの攻め。
そして受け直した真瀬がカットインで中央へ流れた末に左ポケットへ縦パス、受けた中島が奥へ切り込んでグラウンダーでクロスと、素早く急所を突き。
クリアされるも跳ね返りをエリア内で拾い続ける分厚い攻めの末に、最後は3度目のクリアボールを長澤がミドルシュート。(ブロックを掠めて枠外)
フィニッシュで終わった上にCKで継続と、群馬に流れを渡さないという意思表明の攻撃。

その思惑通りに攻撃機会を減らされてしまった群馬。
巻き返すべく29分に動く武藤監督、山中・佐藤→杉本・和田へと2枚替え。
これで従来の、「4-4-2→攻撃時3バック」というシステムへと変更し、投入した杉本・和田がそれぞれ左サイドハーフ・右SHへ。

ここから、左右センターバックの持ち運びも交えながら、人数を掛けて押し込む体勢に入る群馬。
下がり目のサイドハーフと入れ替わるようにサイドバック(右=田頭・左=菊地)が奥を取らんとして上がるなど、同点への執念を形で示すものの、それでも膨らまないフィニッシュ数。
34分に仙台の後方からのロングパスを高橋がカット、そのまま左サイドでパスワークに入った末に、スルーパスに走り込んだ天笠がクロス。
ファーで高澤がヘッドで合わせるも、折り返しのミスか逆方向へ飛んでしまう(その後クリアボールを高橋がミドルシュート、GK林キャッチ)という具合に、折角作り上げた前進の流れもモノに出来ません。

逆に仙台が落ち着きを取り戻し、敵陣でのボールポゼッションから戻して作り直しを選択したかと思えば、CKを獲得して菅田のループヘッドでゴールを脅かす(38分)など盤石の流れに。
群馬がとうとう最後の交代を余儀なくされる(41分、田頭・高澤→大畑・平松)と、堰を切ったかのように動き出す森山佳郎監督。
相手がカードを使いきったのを見計らい、ハーフタイム以外で使わなかった交代カードを切り始めるという、強者の振る舞いを見せます。

まずは42分に相良・郷家→名願・菅原へと2枚替え。
その後も菅原がターゲット、名願がサイドアタッカーとして前線で働く一方で、44分に長澤が(佐川への)アフターチャージで反則・警告を受けるという具合に強度の低下を確認すると再度動き。
45分に松井→松下へと交代と、5バックにはしなかったものの引き締め直し逃げ切り体制に。
最後のカードはAT内で中島→エロンと、あっという間に使いきって時間も消費させました。

何とか勝ち点を積み上げたい群馬。
最後はロングスローでゴールを脅かしに掛かりますが、天笠の左からの低いクロスに繋げ、GK林が抑えた所に城和が交錯してしまうというぐらいが目立った好機となり。
そして試合終了の笛が鳴り響き、2-1でホームの仙台が順当というべき勝利を挙げました。

新監督を立てての船出は厳しいものとなり。
未だに勝ち点が6のままと、このままでは焦燥感が膨大となるのも時間の問題という状態ですが、まずは連敗を止めなければどうにもならず。
今まで様々なクラブ(時には中国でも)でコーチを歴任していた武藤氏、ここからの秘策はあるでしょうか。

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