ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

50/50 フィフティ・フィフティ

2011-11-28 18:39:58 | は行

これはよくできた映画。
超・超おすすめです。

「50/50 フィフティ・フィフティ」88点★★★★


27歳のアダム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は
シアトルのラジオ局に勤務する青年。

酒もタバコもやらず
律儀でマジメなタイプで

口を開けば女のことばかり、という
悪友カイル(セス・ローゲン)とはいいコンビだ。


あるとき彼は
腰の痛みを感じて医者に行く。

すると、
なんと病名は「がん」。

5年後の生存率は50%だという――。

ジタバタしてもしょうがない、と
アダムは闘病を決意するが――?!



いや~いい映画でした!

まあ番長が
ジョセフ・ゴードン=レヴィット好きというのを差し引いても
この映画は絶対にいい。はず。(笑)

なんたってこの題材にして
重くなく、なぜか爆笑の連続なんですよ。


冒頭からノリのいいロックで始まる
気持ちのいいカジュアルさがあって

几帳面で“キチンと君”な主人公キャラも
周辺の人々のキャラも
実に繊細に作られている。

セス・ローゲンも悪ふざけ過ぎず、
男と男の友情を表現し
映画に明るさをもたらしてくれてます。


実はこの話、脚本家の実体験を基にしていて、
しかも彼とセス・ローゲンとは
実生活で友達なんだそう。

だからすべてが自然でリアルなんだあと納得。


病名を告げられるときの
医者と患者の温度差とか、

会社で“がん克服パーティー”が開かれたときの
ビミョーな空気とか
ホントに「ありそう!」で
トホホなんだけど、可笑しい(笑)


主人公の心情を推し量り、体現しやすいので
苦しい描写にもきちんと向き合えるし

「もしも、自分だったら……」に
前向きに照らし合わせられる、本物感があります。


そしてそれゆえに
人の営みの原点というか
すごくシンプルなものが見えてくるんですね。

人生に必要なものはなにか?
本当に必要な人は誰か?……とかね。


自分が病気を経験した人、いま誰かを看病している人、

誰もが少しでも前向きな
明るい気分になれると思う。

おすすめです。

★12/1(木)からTOHOシネマズ渋谷、TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。

「50/50 フィフティ・フィフティ」公式サイト
コメント (5)
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