ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書

2018-03-26 22:57:13 | は行


新しいTOHOシネマズ日比谷で観るなら
まず、これでしょ!(いえ、劇場の回し者ではありません。笑)

すみません、これ、調べたら新しいビルの映画館ではなく

東京宝塚ビル地下の劇場(旧・スカラ座)でございました。

……ろくに読まない風邪薬の注意書きのような……こ、こまかっ!

 ※本日(3/30)、気になったので現地偵察して参りました。(スクリーンにまでは入らなかったけど)

確かにビルは違うけど、ロビーもアプローチもすごーくきれいになってたし

ちゃんとミッドタウン日比谷を満喫できる環境でした!



「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」80点★★★★

 

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1971年3月、

ニューヨーク・タイムズの記者の手に渡った

政府の機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」。

 

そこにはトルーマンからニクソンにわたる4政権の間、

アメリカ政府がひた隠しにしてきた

ベトナム戦争における「不都合な真実」が記されていた。

 

そして6月。ニューヨーク・タイムズが文書を記事にし、

世間は大騒動になる。

 

 

ライバルであるワシントン・ポストの主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)も

独自に文書を入手し、記事を掲載しようとしていた。

 

が、そこにニクソン政権から「待った!」がかかる。

 

夫亡き後、ポスト紙を継いだ

キャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は

記事を掲載すべきか、止めるべきかの決断を迫られる――!

 

 

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スピルバーグ監督作。


いやあ、これはね

勇気をもらいましたよ。

 


アメリカ政府がひた隠していたベトナム戦争の真実を暴く

「ペンタゴン・ペーパーズ」。

 

1971年に、それを手にした
新聞社の葛藤を描いた映画です。

 

この出来事があったからこそ、

このあと、あのウォーターゲート事件が可能になったんだ!という話で

「大統領の陰謀」見直しましたハイ。

 

 

まず感じたのは
記者が大切にされ、記者もまた仕事に命をかけた時代の、熱量。


そして
ジャーナリズムVS政府(権力)の戦いは、トランプ政権下のアメリカだけでなく
まさに、いまこの日本でも起きている。

 

報道にまつわる状況が様変わりしても

その精神は失われてないと信じたい。

 

映画に登場する
「新聞は、歴史書の草稿だ」って、なんていい言葉だ!と感動しました。

 

そして本作は

女性初の全国紙経営者となったキャサリンにスポットが当てた点もいい。

 

元々主婦だった彼女は、夫の死で経営者になったけど

周囲には「お飾り」的にしか見られていない。

 

そんな「弱い女」を

メリル・ストリープが、いつもとひと味違う感じで

しかしまあ高度なテクニックで魅せてくれるんです。

眼鏡を持つ手が震えている、細かい芝居も見逃せないですよハイ。

 

 

彼女を始め、スピルバーグもトム・ハンクスも

いま良識ある映画人たちが、こういう題材で

何に、誰に闘いを挑んでいるかは明白。

 

うん、いいと思います。

ガッツ!

★3/30(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開。

「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」公式サイト

コメント
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