ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

2018-03-29 23:48:21 | あ行

 

これはゲイリー・オールドマン、ゴールデン・グローブ賞、そして

アカデミー賞受賞も当然だわ。

 

「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」71点★★★★

 

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1940年、5月。

ナチス・ドイツの脅威にさらされているイギリスで

前首相が不信任とされた。

 

次期首相に任命されたのは

ウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)。

 

朝からスコッチを飲み、ズケズケ&ズバズバな物言いで

“変人”で“政界の嫌われ者”な彼は

最大の危機にあるイギリス、そして世界の状況を

どう舵取りするのか――?

 

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これはやっぱり

ゲイリー・オールドマンに魅せられますねえ!

まったく別人、ものすごい迫力、ものすごい変身ぶり。

 

もちろんそれだけでなく、

チャーチルが数々の名言を残した「言葉の人」なのだと、よくわかるのも

この映画のよさ。

 

前半の、会議・会議の応酬で

口撃戦についていくのがちょっと大変だけど

 

しかし後半、

劣勢のイギリス軍にあまりにも犠牲が多くなり、

ドイツとの和平交渉に傾きかけた議会で、

「最後まで戦い抜く!」と、意志を貫くところは超ドラマチック。

 

ジョー・ライト監督ってやっぱり

古きもの、歴史をドラマチックに演出するのがうまい人なんですよね。

 

それにあの

ダンケルクの戦いの裏で、

こんな政治が行われていたのか!と思うと

つくづく「ダンケルク」はキーポイントなのだと。

 

 

和平を選ばないチャーチルのやり方って

戦意を鼓舞するという面では諸刃の剣の怖さはあるけれど、

でもこれがいまに続く結果だ、という真実にもハッとする。

 

ドイツと交渉する派だったハリファックスが首相になっていたら……

いま、ここにある世界とは、違う世界だったんだな、と思うと

怖いし。

 

歴史っていろんなことを教えてくれている、

そしてそこから、学び、考えねばならないなと

しみじみ感じました。

 

★3/30(金)から全国で公開。

「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」公式サイト

コメント (2)
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